自転車を持つだけで税金? 昭和まで続いた「自転車税」の意外な歴史と脱税が横行した理由 (2/3ページ)
不満と財政
この自転車税へ不満を持つ層が黙っているはずもありません。自転車が一般家庭にも広がるにつれ、この税の負担は社会問題となっていきました。
特に税額が高い地域では廃税運動が起こり、新聞でも議論が巻き起こります。
しかし時代は戦争へ向かい、地方財政は慢性的な不足に悩まされていました。自転車税は自治体にとって大きな収入源で、簡単に手放せるものではありません。
そのため制度への不満が高まっても廃止には至らず、むしろ徴収の強化が進められました。
自転車には鑑札と呼ばれる小さなプレートを付ける義務があり、現在のナンバープレートのような役割を果たしていました。
ただし、税金を払っていなくても自転車に乗れなくなるわけではなく、取り締まりも十分とは言えません。
このユルさが、後に大規模な脱税を生む土壌となっていきます。
広がる抜け道さてその脱税方法ですが、とても簡単なものでした。要は「申告しなければいい」のです。
自転車税は、所有者が自ら役所に届け出る申告制でした。未申告でも実質的な不利益は少なく、鑑札を付けていなくても走行自体は可能だったのです。
このため、自転車の普及とともに「申告しないだけ」という非常に簡単な脱税が急増しました。
