製造業のIoTはなぜ「PoC止まり」になるのか 現場定着を阻む3つの壁 (1/3ページ)

TREND NEWS CASTER

製造業のIoTはなぜ「PoC止まり」になるのか 現場定着を阻む3つの壁
製造業のIoTはなぜ「PoC止まり」になるのか 現場定着を阻む3つの壁

人手不足や生産性向上を背景に、製造業ではIoTやデータ活用への投資が進んでいる。一方、設備データを収集し、稼働状況を可視化するところまでは進んでも、その後の本格運用につながらない「PoC(実証実験)止まり」に悩む企業も少なくない。

なぜ、IoTを導入しても現場改善につながらないのか。製造業のDX支援に携わるNSW株式会社の根本修一氏への取材をもとに、IoTを現場へ定着させるために必要な条件を考える。

なぜ「見える化」で止まってしまうのか

製造業では、設備の稼働状況や生産データを収集し、モニター上で可視化する取り組みが広がっている。

しかし、データが見えるようになったことと、現場の生産性が向上することは同じではない。重要になるのは、そのデータを「誰が」「いつ」「どのような判断に使うか」まで決めているかどうかだ。

根本氏は、可視化そのものをゴールにするのではなく、現場改善の出発点として考える必要があると話す。例えば、設備停止のデータを取得できても、原因分析を誰が担当するのか、どの数値を異常と判断するのか、改善策を誰が実行するのかが曖昧であれば、データは蓄積されるだけになってしまう。製造現場では、工場やラインごとに設備構成や業務フロー、作業者の経験値も異なる。そのため、一つの成功事例をそのまま別の現場へ展開できるとは限らない。IoT導入では、システムそのものよりも、データを日常業務へどう組み込むかが重要になる。

「小さく始める」だけでは足りない

IoT導入では、最初から工場全体をデジタル化するのではなく、一部の設備や工程から始める「スモールスタート」が採用されることが多い。NSWでも、優先度の高い工程や設備からデータ収集を始め、停止要因の分析や点検作業の見直しなど、具体的な課題に結びつける進め方を提案しているという。

小規模に始めることで、初期投資を抑えながら効果を検証できるという利点がある。

一方で、PoCが成功したとしても、その仕組みを工場全体や複数拠点へ広げる段階で新たな問題が生じる。

「製造業のIoTはなぜ「PoC止まり」になるのか 現場定着を阻む3つの壁」のページです。デイリーニュースオンラインは、デジタル技術システム構築IoT社会などの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る