廃棄される花を「アート」に変えられるか フラワーロスと資源循環の新たな試み (2/3ページ)
「捨てられる素材」を作品にする意味
大川氏の作品には、植物以外の素材も使われている。
その一つが真綿だ。大川氏によれば、自身の家系がかつて製糸業を営んでいたこともあり、絹や繭は身近な素材だったという。
「炭をいける®天衣無縫シリーズ」では、用途が限られる繭から引いた真綿と、炭化させた植物を組み合わせている。
ここでも共通するのは、これまで別々に扱われてきた素材を組み合わせ、作品として再構成する考え方だ。
近年は、廃材や不要品を新たな製品や作品へ転換するアップサイクルの考え方も広がっている。アートの世界でも、素材が持つ背景そのものを作品の一部として扱う例は珍しくない。
一方で、素材が「廃棄予定だった」というだけで作品の価値が決まるわけではない。最終的には表現そのものがどのように評価されるかが、アートとして継続するうえでは重要になる。
海外展示で問われる「環境」と「アート」の関係大川氏は2024年、「WORLD ART DUBAI」や台北で行われた「Japan Art Week in Breeze」など、海外の展示会にも出展したという。
環境問題やサステナビリティへの関心は世界的に高まっており、廃棄物や再生素材を取り入れた作品も国際的なアートシーンで見られるようになっている。
ただし、環境性を打ち出す作品には別の問いも生まれる。
作品制作や輸送、展示そのものにもエネルギーや資材が必要になるため、「廃材を使っている=環境負荷が低い」と単純に評価することはできない。
また、アート活動を継続するには、作品販売や展示機会などを通じて経済的な基盤をつくる必要もある。