福岡「博多座」がもたらす文化の息吹——“場”があるからこそ、新たな風物詩は生まれる (2/4ページ)

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しかし昭和47(1972)年の大博劇場の閉場後は、長く博多には演劇や芸能の「常打ち小屋(一定の場所で決まった演劇や芸能が定期的に、あるいは連日興行される場所)」がありませんでした。

福岡の財界や市は、この状況に危機感と不安と物足りなさを感じていたのでしょう。博多に「常打ち小屋」を復活させる機運が高まり、その思いが形になり、現在の博多座が誕生しました。ここは福岡の芸能文化にとって悲願の存在だったのです。(参照:NetIB-News)

「襲名」文化のある国、日本

日本の古典芸能の世界には、「襲名披露」という文化があります。

「襲名」とは、俳優や芸人が、先祖や父兄や師匠、あるいは他の先人の名前を受け継ぐことをいいます。これは古典芸能だけの風習にとどまりません。江戸時代には商人や大きな農家などでも「襲名」がありました。現在でも大相撲などで同じ名前を受け継ぐことがありますが、これも明確な「襲名」です。

古典芸能の「襲名」では、「襲名披露興行」が行われることが多くあります。この時の興行は、積み重ねられた歴史の深まりと、未来を輝かせるような新しい時代の始まりを意味しており、盛大なイベントとして盛り上がっていきます。

歌舞伎の襲名でいえば、襲名披露興行は、東京の歌舞伎座からはじまり、その後は大阪(大阪松竹座)、京都(南座)、名古屋(御園座)など全国の主要な歌舞伎興行舞台で公演が行われます。また年に一度の「こんぴら歌舞伎(香川県琴平町の「金丸座」)でも行われることがあります。さらに、全国巡演公演などで、全国津々浦々まで襲名の「御挨拶」に俳優たちは出向くわけです。

そして博多座も、この主要な舞台の一つに、今数えられています。

「場」がもたらす恩恵

今年の博多座六月公演は、令和7(2025)年5月からはじまった「尾上菊之助改め八代目尾上菊五郎襲名披露・尾上丑之助改め六代目尾上菊之助襲名披露」の博多でのお目見え公演でした。

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