BABYMETALが凱旋ライブで見せたオンリーワンとしての凄み
今夏は「BABYMETAL WORLD TOUR 2014」として、ヨーロッパとアメリカでワンマン4公演、イギリスの「Sonisphere」、カナダの「Heavy Montreal」と大型メタル・フェスも制覇したBABYMETAL。約7万人の猛者どもを熱狂させた「Sonisphere」、2300人クラスのキャパを完売し、現地の人で埋めつくされた会場に怒号とモッシュの渦を作り上げたロンドン単独公演。その後、LADY GAGAの5カ所の北米ツアーのサポートを務めるなど、一気に世界へと飛び出したのだった。
そして帰国するや、ワールド・ツアー凱旋ライヴを幕張メッセにて2デイズ敢行! 両日観てきたが、世界の大舞台を踏んできた「自信」が、目に、歌に、ダンスに迸り、BABYMETALの織りなす世界観は、現時点で完成形を描く鉄壁のサウンドを叩き付けた。
冒頭曲「BABYMETAL DEATH」がはじまると、待っていましたと言わんばかりに地響きのような歓声が沸き上がる。初日は2曲目「いいね!」で緑のレーザー光線が飛び交う狂乱のディスコ状態に陥れ、続く「ウ・キ・ウ・キ★ミッドナイト」ではSU-METAL(Vo/Dance)のパートでは、ステージ上に18本の火柱が出現。こうした演出も、会場のヒートアップを加速させていった。
また、幕張という土地柄にちなみ、スクリーンにイオンモール幕張新都心で買い物をするアニメ化されたYUIMETAL(Scream/Dance)とMOAMETAL(Scream/Dance)の映像が流れ、それから「おねだり大作戦」へ繋ぐ流れは秀逸&爆笑! キュートなダンスも巨大ビジョンに映し出され、多くの人を骨抜きにしていくのだった。
2日目は「メギツネ」の「なめたらいかんぜよ」の歌詞を歌うSU-METALの勇ましい声音に、開始早々、心臓を鷲掴みにされた。芯の強い透徹した美声が幕張メッセの隅々まで響き渡る様子は、全身にトリハダが立つほどの感動を覚えた。そして、本編ラスト「イジメ、ダメ、ゼッタイ」で火柱が勢いよく吹き出す中、炎越しにSU-METALの凛々しい表情が巨大ビジョンに映されると、アイドルとメタルの壁をぶち壊した、オンリーワンの存在としての「凄味」がひしひしと伝わってきたのだった。
2015年1月10日には、さいたまスーパーアリーナ公演(「LEGEND"2015"〜新春キツネ祭り」)が開催される。BABYMETALのパフォーマンスが今後も勢いを増し続けることは、間違いないのだ。
(取材・文/荒金良介 写真/MIYAAKI Shingo)