銀座で戦車が爆走、開戦を着々と準備中…中国人の誤解が止まらない

デイリーニュースオンライン

 前回は、「中国人は日本という国を変態国家だと思っている」と書きました。

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「日本人=エロい」というのは、中国人の共通認識ですが、最近はそれ以外にも、中国人の間で急速に普及しつつある日本人のイメージがあります。それは「日本=軍国主義」です。日本人はみんな中国と戦争したがっている! 中国人はそう思っているのです。

 日本人からすれば、たぶん、「戦争したいのは中国の方だろう」と思うことでしょう。ですが、意外かもしれませんが、中国人はみんな、自分たちの国が好戦的な国だとは思っていません。

 なぜなら、学校の授業でも、普段のテレビや新聞などのメディアでも、中国は「平和主義の国家」だと強調されているからです(この平和主義だという理屈に関しては、僕の漫画『中国のもっとヤバい正体』でも詳しく書いたので、参考にしてください)。

日本が中国侵略を考えているこれだけの理由

 中国は常に平和主義。自分たちから他国を攻撃することはない。なのに、世界の平和を乱すのは常に日本! 最近も極右の安倍内閣が虎視眈々と中国を狙っている! ……それが中国人の共通認識なのです。

 日中の報道を見ていると、真逆なので戸惑います。そしてやっぱり、この軍事においても、エロと同様にネット上では壮大なデマが流されているんですね。

 つい最近の例だと、2014年9月18日の満州事変の記念日に、中国の軍事専門家が中国の機関誌で「安倍首相は過去の侵略を否定し、学校の教科書も改ざんした」とする記事を発表しました。こんな具合だから、巷の一般ブログがどんな感じか、想像がつくでしょう?(笑)

 例えば、一般ブログでは、右翼の街宣車が並んで走る写真がアップされ、「日本では日々、右翼が街中をめぐりまわって演説し、戦争への士気を高めている!」といった具合に書きたてます。

 そして、中国のデマブロガーの格好の材料となったのが、2000年、石原都知事が指揮した東京都の総合防災訓練「ビッグレスキュー」でした! 

 このときは、東京都の街中を自衛隊の戦車が我が物顔で走行しましたよね。その驚くべき光景は中国の国営放送でも流され、中国ブロガーたちは一斉に煽りたてたのです。

 日本はついに、開戦の準備をし始めたぞっ!! マジでやばい!

 その後も、総合防災訓練の光景は事あるごとにネット上にアップされます。そして、石原慎太郎さんの公式ホームページの画像もしばしば、この画像と併用されてアップされました。

 その石原さんのサイトのトップ画像というのが、コレです。

 どうです? そのタイトルもずばり「宣戦布告」です。防災訓練の写真と、石原慎太郎さんのこの画像が並んでいたら、もはや中国に対して開戦を宣言しているようにしか思えないでしょう?

 まあ、ここまで過剰に反応してしまうのは、中国人がいかに日本人を恐れているかの裏返しに他なりません。何と言っても、毎日のように抗日映画が流されている国ですから。

 普段は「日本鬼子」や「小日本」などと嘲るようなことを言っていても、僕ら中国人にとって、日本人というのはすごく怖い存在なのです。そうそう、日本鬼子と言えば、こんなデマもありました。

 今、日本では流行っていること。それは、額に角を作ること。「鬼子」のつもりだということで、その写真がネット上に貼りつけられました。

この写真を見て、中国人は「やっぱり、日本人はこえぇ!」と恐怖におののくのです(笑)。

著者プロフィール

漫画家

孫向文

中華人民共和国浙江省杭州出身、漢族の31歳。20代半ばで中国の漫画賞を受賞し、プロ漫画家に。その傍ら、独学で日本語を学び、日本の某漫画誌の新人賞も受賞する。近著に『中国のもっとヤバい正体』(大洋図書)

(構成/杉沢樹)

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