はじめまして。中国人漫画家の孫向文です。

　普段、僕は日中を行き来しながら、中国の驚くべき実態（僕にとっては当たり前の日常）を漫画で紹介しています。日本人読者の多くの方々は僕の本を読んで「中国ってこんなに恐ろしい国だったのか」と驚くみたいです。そんな感想を頂くと、日本と中国は近いけれども、遠い国なんだなと実感します。

　でも、僕は今回のコラムで伝えたいです！　実は、中国人も同様に、「日本人って恐ろしい奴らだ」と思っていることを。おそらく、中国人が日本のことをどう思っているか知れば、日本人の方々は衝撃を覚えることでしょう。

　まず、中国人の多くが、「日本人」と聞いて思うこと。それは、「世界一の変態民族！」であることは間違いありません。

　例えば、日本の女性の多くは、人の家だろうが道端だろうがどこでも裸になることに抵抗がない。乱交パーティーは日常茶飯事。日本女性は欲求不満になると道端のホームレスのような男に対しても体を求めてしまう。性行為のフィニッシュは「ぶっかけ」は当たり前……などなど。そう考えている中国人が少なからずいます。

　はい、それはもちろん「ＡＶ」の影響です。中国人はみんな、日本のＡＶを見て、「日本人はなんて破廉恥な奴らなんだ！　けしからん！　（俺も日本に行きてえ……）ww」と考えるのです。

中国人が恐怖に慄く日本料理とは？

　中国人のブロガーやサイト運営者の中には、あえてデマを流す者もいます。例えば、日本のＡＶのシーンを無断転用して、それがあたかも日本の一般の光景であるかのように読者に思い込ませます。

　女子高生たちが数十人で全裸で授業を受けている写真の上に、「日本の女子高の中には、年に何回か全裸で授業を受ける風習のある学校もある」といった具合です。日本人のアダルトビデオに詳しい人に尋ねたところ、これはソフトオンデマンドというＡＶメーカーの『火曜日は全裸登校日』のＡＶだと教えてもらいました（笑）。

　ですが、全裸授業は序の口。中国ではもっと衝撃的な日本の姿が語られています。こちらの動画サイトをご覧ください。

　中国語ですし、何を言っているか分からないかもしれないので翻訳しましょう。

「日本人の男たちの間では、女子高生のうんこが高級料理になっている。その料理の名前は『金粒餐』。うんこをひり出す女子高生は処女限定。その女子高生には一定期間、肉を食べさせず指定の野菜だけを与える。そして排出されたうんこは、油で揚げて金箔をふりかけた上で提供される。これは、完全予約制の極上料理です」

　中国人はこれを見て、少なからずの人たちが真実だと思い込み、そして恐怖におののくのです。変態国家・日本、恐るべし！　と。

　僕から言わせれば、そう勘違いする中国人の方が怖いですけどね（笑）。日本人が中国人を恐れているように、向こうも恐れている。でも、それは誤解で中国人にビビる必要なんてないのです。

（構成／杉沢樹）

著者プロフィール

漫画家

孫向文

中華人民共和国浙江省杭州出身、漢族の31歳。20代半ばで中国の漫画賞を受賞し、プロ漫画家に。その傍ら、独学で日本語を学び、日本の某漫画誌の新人賞も受賞する。近著に『中国のもっとヤバい正体』（大洋図書）