2005年にアメリカを襲ったハリケーン”カトリーナ”。ご存じの方も多いでしょう。そして、ハリケーンには人の名前がつくというのもよく知られているところです。でも、台風にも名前がついているって知ってました？

　現在、九州南部で猛威をふるい、近畿、東日本へと進もうとしている台風18号。これは「Phanfone（ファンフォン）」。ラオスの言葉で「動物」という意味です。ちなみに、台風17号は「kammuri（かんむり）」でした。もちろん、日本語のかんむりで、かんむり座を指します。

　というように、台風には140個の名前があらかじめ決められていて、順番に名前がつけられていきます。

台風には従来、米国が英語名（人名）を付けていましたが、北西太平洋または南シナ海で発生する台風防災に関する各国の政府間組織である台風委員会（日本ほか14カ国等が加盟）は、平成12年（2000年）から、北西太平洋または南シナ海の領域で発生する台風には同領域内で用いられている固有の名前（加盟国などが提案した名前）を付けることになりました。

気象庁：台風の番号と名前

　ここで140個すべてを紹介することはできません。詳細は上記サイトをご覧頂くとして、この中から、ちょっと変わったものを紹介してみます。

　まず、日本語名を見てみましょう。

[番号　呼名　片仮名読み　意味]
05　Tembin　テンビン　てんびん座
19　Yagi　ヤギ　やぎ座
33　Usagi　ウサギ　うさぎ座
47　Kajiki　カジキ　かじき座
61　Kammuri　カンムリ　かんむり座
75　Kujira　クジラ　くじら座
89　Koppu　コップ　コップ座
103　Kompasu　コンパス　コンパス座
117　Tokage　トカゲ　とかげ座
131　Hato　ハト　はと座

　なぜここまで星座に固執するのかがよくわかりませんが、それ以上に、かじき座やくじら座があったという事実に驚かされます。私が知らなかっただけ？（笑）

　次は、他国担当の台風です。

16　中国　Wukong　ウーコン　（孫）悟空

　中国っぽいネーミングです。今となってはどちらかというと漫画のイメージの方が強いですが。

21　マカオ　Bebinca　バビンカ　プリン

　スイーツですか！　確かに、マカオの牛乳プリンはおいしいですけど。エッグタルトもおいしいですよね。脱線しました……。

66　フィリピン　Hagupit　ハグピート　むち打つこと

　サディスティックな香りがしますが、フィリピンは台風の被害が深刻な地域。深刻具合がネーミングにも表れているのでしょう。

　なお、フィリピンだけ「冷酷な」「鋭い刃先」など、ネーミングセンスにガチ感が漂っています。「速い（Maliksi／マリクシ））」「すばやい（Hagibis／ハギビス）」はどちらかでいいんじゃないかとも思うのですが、あっという間にやってくる切迫感、切実感が見てとれます。

　ネーミングは楽しいですが、台風の被害はバカにはできません。今回の台風18号も相当な勢力のようです。今後の台風情報にはご注意ください。

（文／DMMニュース編集部）