ホテル予約の盲点...APAホテル極端な料金設定のウラ事情 (2/2ページ)

東京ブレイキングニュース

APAホテル新橋虎ノ門の11平方メートルに対し、ホテルニューオタニは23平方メートルと倍以上の広さがある。東京だけでは不正確かと思い、大阪エリアも調べてみたが同じようにいびつな料金設定だった。元APAホテル支配人だった人物がこの料金設定のからくりを教えてくれた。

「じつはAPAホテルの宿泊料金はそのホテルの支配人の裁量に任せられているんです。それだけに、稼働率が低ければ即時に左遷させられる。だから、稼げるときは値段も上昇させて一気に売上を確保する。現場は本当に大変なんです」

 一般にシティホテルは結婚式や宴会、飲食代などが収益の多くを占めるが、シングルルームの宿泊だけで勝負する「ビジネスホテル」は部屋の稼働率が生き死にを決めるという。元支配人の言葉は続く。

「理不尽な高額設定もありますが、逆に超閉散期などはカプセルホテルや漫画喫茶と同レベルの金額で出すこともあります。だけど、黙っても部屋が埋まる最盛期は容赦なく値上げ。だから、周囲の一流ホテルより高いなんておかしな料金設定になるんです。それでも埋まるんですよ」

 この両極端な価格設定で迷惑を被るのは定宿にするサラリーマン客だ。

「地方に出張する際はいつもAPAホテルです。予約はいつも社内の総務に頼むんですが、ある日、経費精算のときに金額を見て驚いた。普段の3倍以上の金額だったんです。上司からはこっぴどく怒られて、自腹を切ることになりました」(前出のサラリーマン)

 この理不尽な価格設定が結果的に利益をもたらしているのか、日本全国でAPAホテルは増殖中だ。前出の元支配人が語る。

「今はどんどん都内の古いホテルを買収したり、新規店を作っていますが、これらは全てオリンピックに向けた動きです。新規店ラュッシュで社内は猫の手を借りたいほど忙しい。古いホテルの改修工事までは手が回っていないので、宿泊するなら新規オープンのホテルに限ります」

 この三連休はホテル業界にとって大きな稼ぎ時だ。それだけに、理不尽に高い料金のホテルには泊まらないように注意したいものだ。

Written by 田中良

Photo by PhoTones_TAKUMA

「ホテル予約の盲点...APAホテル極端な料金設定のウラ事情」のページです。デイリーニュースオンラインは、料金設定ホテル予約APAホテルウラ事情カルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る