デーブ大久保新監督、楽天ゴリ押し人事で"球団分裂"の危機

デイリーニュースオンライン



 プロ野球の東北楽天ゴールデンイーグルスは14日、星野仙一監督前監督(67)の後任として、大久保博元二軍監督(47)の就任を発表した。仙台市の楽天集団事務所で記者会見に臨んだ“デーブ大久保”新監督は「今朝の話だったので、まだ混乱している。何を伝えたらいいか分からない」と表情を硬くするなど神妙な面持ちだった。その理由を、スポーツ紙記者が証言する。 

「球団内外に、デーブの監督就任を反対する声があまりに多かったことが、未だに尾を引いているからです。会見には立花球団社長も同席しましたが、彼は"反デーブ派"の急先鋒。三木谷オーナーのゴリ推しで監督就任が決まっただけに、この日は二人の握手もないという異例の進行。会見自体もたったの10分足らずで終了してしまいました」

 デーブ新監督がここまで反対されるのは理由がある。西武ライオンズでの二軍打撃コーチ時代、菊池雄星に対して暴行騒ぎを起こして解雇され、球団と法廷闘争を繰り広げるなど、トラブルメーカーとしての顔が印象深いが、この素行の悪さは楽天二軍監督時代も度々問題になっていたという。

「二軍監督の時には打撃投手に対して、『お前らが給料安いのは、その程度の球しか投げないから。お前らなんていつでもクビにできる』と暴言を吐いて、星野監督に一喝されています。また、試合に負けると『お前のせいで負けた』とミスした選手を吊し上げするので、選手やコーチ陣からは総スカン状態。とくに一軍コーチ陣とも折り合いが悪く、監督代行時代は険悪な空気でした。それでもデーブは三木谷オーナーと星野監督の後ろ盾があるので、球団内では“ジャイアン状態”といっていい態度です」(前出・スポーツ紙記者)

 そんな球団内の微妙な空気は楽天ファンにも伝播している。楽天の次期監督就任が噂になった10月初旬から、インターネットの署名サイト『change.org』では「大久保博元氏の一軍監督就任反対」の署名活動がスタート。最終的に7000人が賛同するという異常事態となった。監督就任が発表された14日には、ファンによる「抗議デモ」まで呼びかけられる嫌われようだ。結果として、こういったファンの声は楽天球団に届かなかったが、今後は球団内で反デーブ派選手の大量離脱も推測され、"球団分裂"の危機に瀕しているという。

「デーブ新監督が濃厚になった8日、選手会会長でチームリーダーの嶋基捕手(29)が早くも国内FA権行使に含みを残した発言をしています。これには番記者たちも騒然としました。というのも嶋は昨年4年契約を結んだばかりでしたから。条件次第でFA権行使が可能な契約になっていたようで、かねてからデーブと不仲が伝えられている嶋のほかにも、ベテランの松井稼頭央(38)など複数のベテラン選手に楽天離脱が噂されています」(前出・スポーツ紙記者)

 プロ野球界でワンマンオーナーによる介入人事は決して珍しいことではない。だが、ファンを大切にするはずの新興球団で同じ轍が踏まれたのは残念でならない。デーブ大久保新監督の前途は多難である。

(取材・文/阿蘭澄史)
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