”ネコ好き男子”が都心で急増「殺処分ゼロの鍵を握る存在」

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いつもは悪く言われる”あの層”がネコを救う!
いつもは悪く言われる”あの層”がネコを救う!

 2020年の東京オリンピック開催にともない、動物愛護を管轄する環境省がようやく重い腰をあげた。今年から犬猫の殺処分ゼロに向けて具体的なアクションプランを打ち上げたのだ。オリンピック開催のタイミングで動物愛護に乗り出す開催国は意外にも多い。日本でも毎年約20万頭、東京都では約2000頭の犬猫が殺処分されており、諸外国にイメージがよくないと判断したのだろう。この動きは民間にも波及し、五輪誘致に活躍した滝川クリステルさんが動物愛護を目的とした一般財団法人を立ち上げるなど、著名人を巻きこんだ動物愛護運動が行われている。

 一方、舛添要一・東京都知事の動きも気になるところだ。都知事はブログで自身が飼っている猫の写真を何度かアップしており、7月には子猫が生まれたと報告。大の猫好きなのだ。東京都トップがペット好きということで、殺処分ゼロが大きく前進すると期待されている。

舛添要一都知事のオフィシャルブログより

年収700~1000万の猫好き独身男性が増加

 そんななか、「東京の殺処分ゼロが実現可能かどうかは、都心で働くアラフォーの独身男性が鍵を握っている」と言うのは『もっと猫となかよくなりたいんニャ!』(宝島社)など猫関連の本を手がけるライターのタカハシヒカルさんだ。

「都心の独身男性で猫を飼う人が増えてますね。5年ほど前から猫好きの男性を『猫男子』と呼び、マスコミでも幾度となく取り上げてきました。昨今は男子と呼ぶにはダンディーすぎる中年の猫メン(猫男)が増えてきています」

 では、実際に猫メンたちはどういった人物なのか。ネットでは毒男(どくおとこ)と揶揄され、蔑まされる独身男性だが、都内在住の猫メンたちはプログラマー、美容師、職人、営業など職種はさまざまだ。共通しているのはそれなりの年収(700万~1000万)があり、都心に近いマンションに住んでいるところ。結婚もせず、金銭的に不自由のない働き盛りの独身男性がなぜ、猫に走っているのだろう。

 大手企業でプログラマーとして働く猫メンの石井ケイ(39歳・ロシアンブルー・猫歴3年)さんにその理由を聞いてみた。

「猫といると会社や友達、男女のわずらわしい人間関係から解放されて、一緒に居るだけで癒やされる。人間の彼女みたいにプレゼントを要求しませんし、週末どこかに連れて行けともいいません。そのかわり毎日のトイレ掃除、食事、病院の定期検診など手間はかかりますが、人間の彼女と比べればねぇ……」

 人間関係や恋愛にお疲れ気味のアラフォー独身男性にしてみれば、猫が都会のオアシスなのかも知れない。

 元野良猫と暮らす大沢マサヤ(35歳・雑種・猫歴8年)さんは都内の人気サロンで働くイケメン美容師だ。

「猫は散歩しなくていいので僕のように労働時間が長い職種でも安心して飼えます。でも最近、猫を長い時間ひとりにするのはかわいそうだなって思って3歳の成猫を里親募集でもらいました。2匹仲良くしてますよ。猫は距離感がちょうどいいんです。甘えてくるけど必要以上にベタベタないし、干渉しないので一緒に家に居ても心地良いですね」

彼女や結婚相手選びも猫との相性を重視する

 年齢的に仕事が大事な時期でもあり、少ないプライベート時間は家でリラックスして過ごしたい。そこに愛らしい猫がそっと寄り添う。なかなか恋愛や結婚に進まないのもうなずけるライフスタイルだ。

 都内の狭い住宅事情を考えると犬より猫が飼いやすいのは理にかなっている。完全室内飼いであれば近隣住民とのトラブルもないだろう。最近は結婚に前のめりな超肉食系女子が増えて、仕事にも恋愛にも疲れた独身男性が家で癒やされたいのはわからなくでもない。さらに男女のわずらわしさもないとなれば、独身生活を送る男性のパートナーに猫はベストなのかも知れない。

 猫メンになってしまえば婚期がさらに伸びそうな気もするが実はそうでもない。知り合った女性から「猫ちゃんに会いに行ってもいいですか?」とアプローチは意外にも多いそうだ。大手家電メーカーに勤める鈴木ヨシオ(40歳・雑種・猫歴10年)さんは言う。

「女性はよく家に遊びに来ますよ。でも今のところ恋愛には発展していません。いくらきれいな女性でもうちの猫が気に入らなければお付きあいしません。最近はきちんと飼えば20歳まで長生きする猫もいるのでそこは重要ですね。いま2匹目を検討中です」

 里親募集や譲渡会で猫を引き取ることで東京都の殺処分を減らすことにはなる。そう考えると猫メンの増加は東京都からしてみれば喜ばしいことだろう。今度は晩婚化や少子化問題が気になるところだが、ブログに飼い猫を載せる舛添都知事からすると、オリンピック開催まで悪くない現象かも知れない。

(取材・文/DMMニュース編集部)

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