プーチンが習近平に贈ったスマホに「隠されたメッセージ」

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スマホをプレゼントするプーチン大統領
スマホをプレゼントするプーチン大統領

 北京で行われているAPECで、ロシアのプーチン大統領が習近平国家主席に贈ったロシア製スマホが話題を読んでいる。ロシア国営RIAノーボスチ通信によると、スマホの壁紙やスクリーンセーバーはAPECや中ロ友好を題材としたスペシャルバージョンになって習主席も上機嫌だったという。

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 今回、プーチン大統領が送ったロシア製スマホは2画面の「YotaPhone2」で、背面にもKindleでおなじみのE Ink(電子ペーパーディスプレイ)を搭載(4.7インチ)。11月末の世界での発売が予定されている。ちなみにOSはAndroid 4.4.2 KitKatだという。価格は未定だが、6万円台後半~8万円ほどになるとのこと。

こちらは現行モデルの「YotaPhone」

通信傍受大国・アメリカに向けた強烈な皮肉?

 一方、今回の「スマホ贈呈」にはプーチンの強いメッセージが込められているという。サイバーセキュリティに詳しいITライターは言う。

「プーチン大統領が習主席にスマホを送ったことは、アメリカに対する強烈な皮肉でしょう。ロシアと中国は、サイバー攻撃の発信元の国として有名で、これまでも欧米から強い非難に晒されてきた。サイバー空間でこの2国は“悪の枢軸”と世界から認識されている。しかし、アメリカもこの両国に対しては日常的にサイバー攻撃やハッキング行為を行っている。スマホはアップルやグーグルなど米企業の独壇場。アメリカ製品やアメリカ製OSを通じて情報流出を懸念していた両国が、情報を盗まれない安全なスマホをアピールすることで、アメリカ主導のサイバー戦争に一石を投じようとしたのではたのでは」

 ロシアでは、ウクライナとの紛争を機に、政府関係者がiPhoneやiPadを持つことを禁じた。ニコライ・ニキフォロフ通信情報相は、ロシア企業や官公庁はアメリカによるサイバー攻撃や通信傍受を懸念しているための措置だと理由を説明していた(AFP通信2014年3月27日付など)。また6月にはエドワード・スノーデン元NSA(米国国家安全保障局)職員が「iPhoneの電源を切っても、NSAの職員がマイクを通じて盗聴することができる」と証言をしたことも影響しているのかもしれない

「現在、サイバー空間はアメリカの独壇場で、インターネット上の情報はすべてアメリカが把握できるようになっている。アメリカによる傍受を防ぐことのできるスマホが普及すれば、そうした状況を少しでも変えることができる。BRICs諸国間ではすでに、アメリカを経由しない独自のインターネット網の構想が持ち上がっている。スマホを含め、ハードウェアも脱アメリカしていこうという目論見なんでしょう」

 中国ではすでにファーウェイやシャオミなど中国産スマホが世界で幅を利かせつつある。今後、ロシア製の高性能スマホも開発が進むのだろうか

(取材・文/DMMニュース編集部)

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