【競馬予想】大混戦マイルCS、潜在能力高いフィエロがトーセンラーの連覇阻止!?

デイリーニュースオンライン

典型的な“待ち”の姿勢でつくりあげたフィエロ
典型的な“待ち”の姿勢でつくりあげたフィエロ

【中央競馬・今週の狙い馬】

 今週のG1はマイルCS(11月23日/京都競馬場/芝1600m)。人気が予想されるのは武豊とともに連覇を狙う昨年の勝ち馬トーセンラー、そして3歳マイル王者のミッキーアイルだが、この2頭以外にも能力を秘めた有力馬が多数ひしめく。大混戦が予想される難解な一戦だ。

年明け早々からフィエロが本命と決めていた!

 今年の流行語大賞候補を眺めていてふと気がついた。話題になった方々や芸人さんが発せられた言葉はこの時に初めて耳にした。同時に既存の単語や思いを表現したものも結構あるのだなと。そう感じたのである。

 新鮮な力に惹かれるのは当然だろう。だが、目新しくはなくても積み重ねてきた力。それはタイミングが合えば確かな答えを弾き出すのではないだろうか。例えば恋愛にも当てはまる。突然現れた相手に心をくすぐられる。近くの友人はいてあたりまえに思う。けれど気持ちを落ち着けゆっくり振り返ればあの人、ずっとまえから自分を支えてくれている―—。

 おれは恋愛小説家か。すみません。ただ、流行語や恋愛で感じるものが競馬にはふんだんに詰まっているとお伝えしたかったのだ。

 マイルCSもそう。どの角度から入るべきか。このレースへの入り方は個人的に持っている。それがここ数年、入口が狭い……。日本競馬のレベルが向上していることの証しのひとつと考えているのだが、距離体系の細分化が徹底されてきた。頼りにしてきた天皇賞(秋)からの参戦組が今年は1頭もいない。

 レースの性格が変われば、アプローチの仕方に幅を持たせなければならない。新顔も古株も馬券対象の候補になる可能性が強まるのだから。

 中心に捉えているのはフィエロである。キャリアはわずか12戦。実戦と充電を絶妙な間合いで繰り返しながら4着以下は2回のみで、残り10戦はすべて3着以内の5勝馬だ。

 ハイレベル5歳世代における叩き上げ組だが、逆にスマートな印象を受ける。卓越した技術を誇る藤原英昭調教師とスタッフによる典型的な“待ち”の姿勢でつくりあげた馬に映る。

 年明けの段階で、今年のマイルCSで勝負になると僕自身は読んでいた。それ以上に一戦ごとの成長が著しく、安田記念もやれると踏んだが8着。それでも極端な道悪において一瞬、グッときた直線の場面は忘れられない。前哨戦のスワンSで福永騎手は1600mに意識を置いた騎乗を貫徹した。今回につながると信じている。

トーセンラーとミッキーアイルの評価は?

 同厩舎のトーセンラー。若干、昨年の迫力に及ばない気がするが、それでも地力は高い。ダノンシャークは地元・関西圏だと、気負うことがなく脚をためる戦法なら切れる。

 ミッキーアイルは緩急の利いた逃走劇ができるタイプ。さらにラチを頼りながらもうひと伸びする直線のパフォーマンスは凄い。古馬より重い57kgを背負って後続を封印したスワンSは値打ちがある。マイル戦になればレースもより組み立てやすいだろう。

 オールドファンの皆さんでもほとんど口にされないだろうが、「府中の千八展開いらず」という格言を思いだした。流行語大賞とは無縁でも、廃れることはないはずだ。それほど東京競馬場の芝1800mはタフな設定である。ややワンペースのイメージがあるが、毎日王冠5着をステップに挑むグランデッツァ。不在の天皇賞組の分も頑張ってくれないかと願っている。

藤村和彦(ふじむらかずひこ)
競馬解説者。1992年から2010年までデイリースポーツ社で記者、デスクとして中央競馬を担当。現在は、週刊『競馬ブック』誌上での「藤村和彦のインタビュールーム」連載、ラジオ関西「競馬ノススメ」(毎週土曜16時30分〜17時)レギュラーなど、フリーで競馬予想、競馬解説、コラム執筆などの活動をしている。
公式サイト/netkeiba.com|No.1予想 藤村和彦

(Photo by super ma-kun

「【競馬予想】大混戦マイルCS、潜在能力高いフィエロがトーセンラーの連覇阻止!?」のページです。デイリーニュースオンラインは、G1ギャンブル競馬エンタメなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る