「アベノミクス解散」をオヤジジャーナルはどう報じたのか!?|プチ鹿島コラム

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「アベノミクス解散」をオヤジジャーナルはどう報じたのか!?|プチ鹿島コラム

 今回の衆院解散。安倍首相は「アベノミクス解散」と宣言した。政治家やオヤジジャーナルはとかく解散名にこだわる。各党代表は何と名付けたか、何と報道されたか調べてみた。

「政権行き詰まりを隠す解散」(民主党・海江田万里代表)
「国民そっちのけ解散」(維新の党・江田憲司共同代表)
「追い込まれた解散」(共産党・志位和夫委員長)
「党利党略・政権延命解散」(社民党・吉田忠智党首)
「断腸の思いで解党」(みんなの党・浅尾慶一郎代表)

 あ、すいません。最後ちがうのが入り込んでしまいました。さようなら、みんな。他にも「身勝手解散」(枝野幸男民主党幹事長)、「この道しかない解散」(甘利明経済再生相)、「退路を断った解散」(小泉進次郎)、「念のため解散」(高村正彦自民党副総裁)、「アベノミクスリと笑う解散」(東国原英夫・元宮崎県知事)などがあった。

 興味深かったのが次の説だ。
《野党関係者は「『目くらまし解散』と言う人もいますよ。だって、消費税増税の延期で、アベノミクスの失敗を隠そうとしているのですから」と指摘。目くらましとは人の目を欺くことで、手品や魔法の意味がある。消費税(S)の増税延期で目くらまし(M)ということは、略して「SM解散」ともいえる。》(東スポ・11月21日)
「SM解散」か。うちわの風も手伝ったのかもしれない。

スポーツ紙の見出しにピッタリ「ダメよ~ダメダメ解散」

 今回よく耳にするのが「解散の大義がない」という言葉だ。多くの新聞も嘆いている。しかし、「テーマはこれですっ!」と首相がわかりやすいお題をひとつ掲げ、有権者がウルトラクイズのように丸かバツを決めるという「わかりやすさ」は、なんだかんだ言ってまだ小泉純一郎のあの「郵政解散」の刺激が皆忘れられないのだろうか。調教されてしまったのだろうか。小泉純一郎の言葉と熱気に乗せられた、と後であれほど懲りたのではなかったか? 美しい大義など私はいらない。

 解散は党利党略と怒る人もいるが、でもやっぱり解散は党利党略だろう。それなら、有権者は自分で淡々とチェックするしかない。争点はたくさんあるはず。

 さて。今回私がオヤジジャーナルの見出しでひそかに期待している解散名は「ダメよ~ダメダメ解散」である。流行語にそのまま乗るというグダグダ感、消費税引き上げを計算していた財務省の叫び声、なぜこんなときに解散を?というツッコミ、今のうちなら野党がダメだからという首相の思惑。それぞれの立場がいい塩梅で網羅でき、スポーツ紙の見出しにピッタリだと思うのだが。

 最後にもう一度言うが私は解散の大義など期待しないし、求めない。争点など自分で決める。

著者プロフィール

putikashima

お笑い芸人(オフィス北野所属)

プチ鹿島

時事ネタと見立てを得意とするお笑い芸人。「東京ポッド許可局」、「荒川強啓ディ・キャッチ!」(ともにTBSラジオ)、「キックス」(YBSラジオ)、「午後まり」(NHKラジオ第一)出演中。近著に「教養としてのプロレス」(双葉新書)。

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