【解散総選挙】小沢一郎、管直人…衆院選に大物政治家たちが大苦戦

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世代交代が続々と進行中
世代交代が続々と進行中

 衆院選が佳境を迎えている。12月14日の投開票に向けて各党候補が最後の論戦を展開するなか、注目を集めているのが落選危機に瀕する大物やベテラン議員たちだ。今回の選挙で錚錚たる面々が国政の場から姿を消しそうな情勢なのである。

 まずは歴史に残る数々の政変を仕掛け、「豪腕」の異名を取った小沢一郎氏(生活の党代表)が岩手4区で窮地に立たされている。

「小沢さんは、東日本大震災後に雲隠れして被災した地元の岩手に入らなかったのが痛かった。かつての支持者から総スカンを食らい、週刊誌が小沢氏が放射能被害を怖がって東北入りを避けていた顛末を報じたことがダメージをさらに広げた。長年連れ添った妻との離婚問題で女性票も離れてしまい、政治生命はいまや風前の灯火だ」(大手紙政治部記者)

 小沢氏は、12月13日にも「最後のお願い」のために地元入りする見込みだ。選挙期間中では異例の二度目の帰還で、危機感の強さが表れている。

“アジェンダ”渡辺喜美も危ない

 みんなの党を解党し、無所属での出馬となった渡辺喜美氏(栃木3区)も大苦戦を強いられている。2014年3月、週刊新潮がスクープした化粧品会社「DHC」会長からの8億円借入問題が尾を引き、みんなの党の解党騒動で求心力を急低下させた。

「もともと喜美氏は父・美智雄元副総理の地盤を引き継いだ強固な『渡辺王国』を築いてきたが、それも崩壊寸前だ。後援会組織は高齢化が著しく、自民党を出たり、新党を作ってまた壊したり、といった喜美氏の節操のなさに辟易する人も多い」(同前)

 民主党幹部は、自民党が展開する「頂上作戦」に苦しめられている。

 安倍晋三首相や菅義偉官房長官、谷垣禎一幹事長ら幹部が、民主党幹部の選挙区に次々と入り、攻撃の手を強めている。

「枝野幸男幹事長と海江田万里代表が、その〝被害〟をもろに被っているだろう。枝野幹事長は安倍首相に国会で極左過激派『革マル』との関係を指摘されて以来、悪印象がつきまとっている。海江田代表はもともと選挙に弱く、両者ともライバルに弱点を集中的に疲れて防戦一方だ」(前出の記者)

 菅直人元首相は、東日本大震災での失政のイメージをいまだに引きずり、地元の東京18区で大苦戦中。

 一方で、優勢が伝えられる自民党では、危ないのは、親族企業への利益供与疑惑が噴出した西川公也農水相と、女子大生とのラブホ密会を週刊誌にすっぱ抜かれた佐田玄一郎氏くらいだ。

「『うちわ問題』の松島みどり前法相と、関連政治団体の不透明な支出が問題となり、辞任に追い込まれた小渕優子前経産相はともに安全圏」(同前)だという。

「争点なき、大義なき選挙」とも言われる今回の衆院選だが、概観すれば、ひとつのキーワードが浮かんできそうだ。

「ズバリ、世代交代だ。強固な『地盤、看板、カバン』で『王国』を築いた小沢氏や渡辺氏が凋落の時を迎え、民主党の政権時代を支えた菅氏や枝野氏もかつての輝きを失った。その一方で、自民党の若手・小泉進次郞氏が遊説先の各地で人気を博しており、党内での評価はうなぎ上りだ。主役の座が次の世代に移行しつつある」(週刊誌デスク)

 ただ、永田町の顔触れが変わったからといってわれわれの生活が良くなるわけでもない。このまま自民党が圧勝すれば、消費税はやがて10%に上がるし、先行き不透明な「アベノミクス」で今後、どのような恩恵が受けられるかも未知数だ。

 選挙終了後の月曜日、日本全国にしらけムードが漂っている光景が目に浮かぶようだ。

(取材・文/浅間三蔵)

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