近年、一大ムーブメントを巻き起こした『アイドルアニメブーム』を振り返る【後編】

あにぶ

アイドルマスター(C)BNGI/PROJECT iM@S
アイドルマスター(C)BNGI/PROJECT iM@S

前編では過去のアイドルアニメ歴史を振り返りつつ、近代アイドルアニメとの比較を行った。
後半となる今回は、爆発的な人気を巻き起こした『 アイドルアニメ 』のブームの理由とその考察をはかってみたい。

■グループアイドルアニメの台頭

前編でもふれたが、昨今における『アイドルアニメ』の特徴として多人数のグループであることが多い。
これは現実でのアイドルグループのヒットによるものが大きいが、キャラが増えることによりキャラ同士の属性のカバーがきくのでユーザーはアニメの中で自分な好きなお気に入りのキャラを見つけることができる。
さらにはメンバー間の対立や、競争そして友情と物語に厚みが増し、ドラマを描きやすくなる。
一人のキャラを立てるよりも多用な属性、キャラ付けが行えるグループアイドルは、キャラ人気の分散とファンの確保そして、厚みのあるストーリーを生み出すことに成功したといえる。

■なんといってもアイドルソング

『アイドルアニメ』の真骨頂と言えば見せ場のシーンであるライブとそれを彩るアイドルソングが目を見張る。
キャラクターの個性やストーリーと共に重要視されてくる曲の良し悪しは『アイドルアニメ』というコンテンツ全体の評価にも繋がっている。
ポップで王道なアイドルソングはもちろん、ダンサブルなナンバーからバラード、はては演歌な楽曲まで幅の広さ、楽曲の多さはアイドルアニメの魅力のひとつであり人気を支える最大限のバックボーンだ。
今や、アイドルアニメの曲が現実のアイドルの曲と音楽ランキングで競るほどの人気を得ている。

涼宮ハルヒの憂鬱

そして、ライブシーンの出来映えは演出、作画ともに技術が向上しており、アイドルアニメにおける一種のバロメーターともなっている。
その風潮が強くなったのは、屈指のアイドルマニアで知られる山本寛監督が手掛けた『涼宮ハルヒの憂鬱』において文化祭でバンド演奏を行うシーンがある。
3DCGも進歩し主流になりかけていた2006年に、原画にこだわり手書きアニメーションというやり方に徹したその手法と作画は確実に影響を与えている。
ギターの高速リフの指先の動き、腹の底から声を出しているかのような表情で歌う姿、その繊細で大胆な作画は語りつくすことが多いまさに神回だ。
いつしか、楽器の演奏シーンやライブシーンの作画はアニメにおけるバロメーターのひとつなった。
最近のヒットを巻き起こしているアイドルアニメはみなライブシーンに定評があるアニメが多く、曲 ライブシーンともにヒットの要因であると言える。

【ニコニコ動画】WakeUpGirls!×ラブライブ!×アイマス ライブシーン比較

(C)2006 谷川 流・いとうのいぢ/SOS団 (C)2007,2008,2009 谷川 流・いとうのいぢ/SOS団

■豊富なメディアミックスビジネス展開

豊富な楽曲を発売すると通ずる点があるが、最大のヒットの要因はやはりメディアミックス展開が豊富なところだろう。
アイドルアニメブームの火付け役ともいえる『THE IDOLM@STER』や『アイカツ』などはアーケードゲームから展開した作品であり、『ラブライブ!』は『G’sマガジン』と提携し誌上やPV付きのCDを発売し、続編制作の決定した『Wake Up,Girls!』はアニメ放送前から大々的にアニメと並列して同名声優ユニットの活動を行うなど、どの作品もアニメに留まらない多大なメディアミックス展開がアイドルアニメブームのヒットの要因であると言える。
今後もまだまだ尽きそうにないこのブーム、果たして次はどのように展開していくのか楽しみである。

(あにぶ編集部/Uemt)

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