歌舞伎町に潜むぼったくり居酒屋を避ける方法

生き馬の目を抜く歌舞伎町
昨年末から年末年始に歌舞伎町のぼったくり居酒屋がインターネットで話題となったのを覚えているだろうか。
不明朗会計で、払えない範囲ではない程度のソフトなぼったくりをすることから、業界では「プチぼった」といわれる。
昨年末、「風物語新宿店」被害者のレシートがツイッターから発信。バイラルサイトやネットニュースで拡散された結果、同店はネット炎上。本部もわれ、すぐに閉店となり返金対応が発表された。これで溜飲を下げているのはネット住民とそれらのサイトの運営者だが、歌舞伎町のプチぼったくりチェーンの類、ネットの告発にまったく反省しているというわけではない。
なぜなら、いままでも短期間での開店・閉店を繰り返しているからだ。閉店自体は、シナリオに織り込まれているもの。悪評がたまった際、しらっと別の店名に変わるのが常である。また返金対応は誠意ある対応になり、自らの摘発を防ぐ効果もある。計算づくの話である。
ちなみにぼったくりというと歌舞伎町のイメージが強いが、新宿駅東口から南口付近の商店街にもそれらグレーな店舗がある。「キャッチ居酒屋に行くと後悔しますよ」という程度の告知はそちらの商店街もしているのだが、まったく手に負えていないのが実情だ。ネットで閉店させた! と大喜びな人たちは、ぼったくり防止条例と客引き禁止条例の2つがあり、商店街によるパトロールまでがあってもまったく実効性がなく、それらの店舗数が数十店規模であるということに闇社会の恐ろしさを感じるべきだ。
今後もそれらの情報はネットで共有されていくことだろうから、先々は運営者グループも活動はしにくくなると思われるが、今このプチぼったくりは歌舞伎町のみならず徐々にだが全国都市にも展開がされつつある。ある程度はカンタンに見分けることができるため、以下の4ポイントに皆さんも気をつけていただきたい。
1、名前と立地、看板で疑う。
ネーミングにも特徴があり「有名店に似た名前の無名店舗」が多い。ぼったは経費をかけないのでペナッペナな看板。また、紙にパウチをかけた案内表示板が多い。ボッタクリはいいビルには入れないため、立地はいいものの小箱(小さい雑居ビルの上のほう)が多い。1フロアに複数店あり、エレベーターが古く、個室が異常に狭かったらまずビンゴ。
2、客引きで疑う。
地方だと条例のない地区もあるが、新宿などの都心繁華街では客引き=違法のため、そのリスクをかぶってやっている人にはプチぼった率が高い。路上での勧誘は100%無視すること。また、客引きの一部はメジャー店員のふりをし、「あそこは閉店したので別のいい店を案内する」と称してヤバイ店に連れて行くことが多い。客引きはフリーの客引きと店付きがあり、フリーの場合値引き交渉結果も「客引きはフリーで店は無関係」としらを切るので注意。
3、食べログで疑う。
食べログはこれらのプチぼったくり店舗に対してあまりきつい書き込みをすると、「証拠がない」からか運営からNGが出て消されることも多い(これに関しては、消費者保護の視点ではよくないため、運営会社のカカクコムは対応策を練って欲しい)。そのため、消されないような遠回しな言い回しのレビューが多い店舗はビンゴだ。店舗名で検索してみて総じてネガティブな点数だったり、賛否が半々だったりも疑うべき。これらのお店に5点をつける人は、お店側の仕込みだ(現在総合点数にはそのような不正は反映されないようになっているが、個人点数ではグレーで表示される)。食べログ以外の口コミサイト、SNSはぼったくり批判が消されていない可能性が高いため、そちらも併用しよう。
4、コースで疑う。
食べ物がしなびているなど条件より異常にしょぼい、すべてを一度に出してくる、外で話した予定のコースはできないので別のにしてくれ、このいずれかがあったらまず怪しい。入ってしまうと面倒なので諦めてしまいがちだが、少しでも嫌な思いをしたくなかったら、手をつける前に出るべきだ。
業者も巧妙だが、4ポイントも覚えるのは面倒。だが1つだけ覚えてもらいたいのは、予め知らない店を避けていればまず問題はないということ。これからのシーズン、歓送迎会も多いと思うのでいやな思いをしないためには気をつけていただきたい。
(文・編集部I)