まさかの“会えない”アイドルで注目の「偶想Drop」イベントレポ

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前代未聞、接触禁止の異色アイドルのライブに潜入!
前代未聞、接触禁止の異色アイドルのライブに潜入!

現役東大生の「週刊アイドル通信」

「会える」をキーワードに、急成長を遂げたアイドル産業。

 ブラウン管にかじり付くようにアイドルを崇拝していた時代と比較すれば、応援しているアイドルに目の前で会えるとなると……かじりはできませんが、飛びつくように会いに行ってしまう心理は安易に想像できます。僕もその想像だけでは我慢できず、アイドルのイベントに行くようになり、虜になった一人。

 しかし、今、この「会える」が揺れています。

「会える」をキーワードに、インフレ的に栄えたアイドル産業はいつしか過剰サービスを売りにする傾向を生み出し、「触れ合える」「独占できる」などの文句が持て囃されるようになりました。この流行により、歌やダンス等のアイドルに必要不可欠な要素がおざなりに済まされかけていると言っても過言ではありません。アイドルは、実力主義からサービス主義に変わってしまったのです。

 そんな中、アイドルとしては異例の接触一切禁止! を掲げる「偶想Drop」というアイドルのライブがあると聞いて、僕は会場である新宿birthに潜入しました。

 そこはまさに戦場。息もつけないLIVEパフォーマンスと一体感。

 鋭いovertureとともに「偶想Drop」のメンバーが登場し盛り上げると、会場の温度が2℃ぐらい上がったのを感じました。1曲目の「Level」は、重厚なサウンドで始まり、激しいダンス、さらにあのマキシマムザホルモンを彷彿とさせるような曲の転換、のびやかな歌声と、凄まじいデスボイス。歌詞もなかなか強烈でした。

 2曲目は「別に上手じゃなくていいじゃん、たかが音楽なんだから。ねぇ? 棘女△」。エレクトロニックなイントロは中毒性のあるサウンドで、しょっぱなから引き込まれます。それに合わせてメンバー、そして会場もヘドバンの嵐。たまりませんね、この一体感! 

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 3曲目は会場が暗転し、曲調もおだやかな「showRAIN@東京」に。真っ暗闇に浮かび上がる、電飾された傘が曲や曲中にでてくる雨の音に合わせて点滅し、とてもきれいでした。続いて「ド田舎PUNK擬女」は、オーソドックスながらも、田舎を飛び出したい少女の気持ちをリアルに歌い上げています。

 最後はもう一度盛り上がって、「Level6」。ノリやすい曲調に合わせて、会場全体を限界の限界まで盛り上げていました。ここまでなんと、ノンストップ。銅鑼を鳴らしたり、歌詞に合わせてワカメを客席に投げ入れたりと、クレイジーなパフォーマンスも見どころでした。彼女たちの全力がギュッと詰まった、そんな充実した時間でした。

 見た目こそかわいいアイドルですが、その枠を越えたRockアーティストとしての「偶想Drop」が存在し、Rockなファンが集う現場でした。

個性的なメンバー、奇跡的な化学反応

 LIVE後、さっそくメンバーのみなさんに取材させていただきました。第一印象は、「え……かわいい!」でした。なんて失礼なことを、と思うかもしれませんが、事前にホームページを見た際は、化粧が濃く変顔をしている写真が載っていて、実はちょっとビビッていた僕。ヤバい人たちなのでは……という印象を抱いていました。

 しかし、実際にお会いすると、みなさんとってもキュートでチャーミングでした。余計なお世話ながら、個人的には、もっとかわいい写真をホームページにあげたらいいのにな、なんて思いました(笑)。

 メンバーのみなさんは、Rockユニットである「偶想Drop」のコンセプトに共感しオーディションを勝ち抜きました。個性的なメンバーをそれぞれ紹介すると、咲さんは歌とダンスがうまいと定評があり、結良さんはいつでも笑顔を絶やさないそうです。

「自分が笑顔になってこそ、他の人にも笑顔を届けることができると思うんです」という結良さんの言葉には共感を覚えました。

 杏奈さんは一番年下でいつもフワフワとした雰囲気なのに、しっかりしていると一目を置かれ、零さんは目立つことが大好きで少し男っぽいところが魅力だとか。紫音さんは常にクールなのにライブだと熱くなって何をするのかわからない、という話もうかがいました。

 これほど個性的なメンバーでは1つにまとまるのが大変なのでは? と聞いたところ、「バラバラすぎてむしろ奇跡的にまとまっているんです(笑)」とのことでした。  

接触より、LIVEに来て! これが私たちの音楽だ

 グループとしての特徴は、一つは前述の通り接触禁止の掟。接触禁止と言うのは、物理的な接触ができないということです。2ショットチェキ会などのイベントはあるのですが、定番ともいえるお互いの手でハートを作るポーズも、指を浮かせて撮るという徹底ぶり。そのコンセプトからは、現代アイドルの過剰接触傾向に対するアンチテーゼを感じました。 まさにRock!

 そして忘れてはならないもう一つの特徴は、とにかくLIVEを重視していることです。「ただかわいいだけではだめで、一生懸命するからこそファンの方がついてきてくれる。そう実感しています」と語ってくれた紫音さん、その脚のあざは一生懸命さの象徴ですね。目標については、短期的にはもっとたくさんの人に知ってもらいLIVEに来てもらうこと、長期的には大好きな「偶想Drop」をずっと続けていきたい、武道館でLIVEしたいなど様々でした。みなさん地道なことからコツコツと積み上げていこうとする姿勢が垣間見られて、胸が熱くなりましたね。

 接触禁止のルールも、何よりもライブで輝く自分たちを見てほしいという彼女たちの熱い思いの表れでもあるのかもしれません。

 ファンクラブの会員を偶神と呼ぶそうで(ファンは神様のような存在であるということから)、300人を越えたらワンマンライブができるそうです。ちょうど、取材にうかがった次の日に、なんと100人を超えたそうでこれからの活躍がますます期待されます。毎週火曜日にフリー定期LIVEをやっているそうなので、ぜひ足を運んで、彼女たちの魅力を体感しに、そしてRockな現場をその目で確かめに行ってみてください!

東京大学アイドル同好会
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東京大学アイドル同好会は、アイドルが好きな東大生によって結成されたサークルです。アイドルについて語り合い「知の創造的摩擦」を起こしているほか、年二回行われる学園祭でのアイドルライブ企画や、毎月第1木曜日に下北FMにて放送中の「東大生がアイドルを研究してみた!」を通じ、アイドル文化の普及活動も行っています。
公式サイト/東京大学アイドル同好会
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