『ジュラシック・ワールド』公開決定で話題の「恐竜ランド」に行ってみた
1993年に初めて公開され大ヒットしたスティーブン・スピルバーグの『ジュラシックパーク』。今夏、14年ぶりのシリーズ新作『ジュラシック・ワールド』が公開されることが発表された。
「これは今から楽しみで眠れない!! 予行演習をしておきたい!!」
そう言って、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンのアトラクション『ジュラシック・パーク・ザ・ライド』に乗りに行く人は素人。日本には、もっと本気でこわい、テーマパーク、その名も『恐竜ランド』があるのだ!!
というワケで、和歌山県までやってきた。笠田駅という駅で降りたのだが、人気はなく、コンビニもない。一人でしばらく凍えていると『花園行き』の小さなバスがやってきた。乗客僕だけをのせて、動き出したバスは、どんどん山奥に入っていく。バスの中にいても、外の冷気がシンシンと伝わってくる。
そして『恐竜ランド』の最寄りのバス停で降りる。どうやら終点のようだ。しかしあたりにはテーマパークらしき建物はない。色あせた看板が一つあるだけである。
……さ、3キロ?? 愕然としていると、バスの運転手が話しかけてきた。
「歩いて『恐竜ランド』まで行くのかね? はっはっは。そりゃ遠いし危ないよ。車にはねられないよう気をつけてな。はっはっは」
と笑いながら行ってしまった。いつまでも呆然としていても仕方ないので、山道を歩き始めた。かなり傾斜が強く、しかもところどころ路面が凍っている。風景は、滝とか、崖とかがあらわれ、大自然な雰囲気に。
まさにジュラシックパークの世界観
本当に恐竜が出てくるんじゃないの? と思っていたら、ドーン!! と恐竜が現れた。道路にはみ出る勢いで巨大な首長竜『ディプロドクス』が歩いている!! まさにジュラシックパーク!! 下がりっぱなしだったテンションが急激に上がった。
チケット売り場で入場券を買い恐竜の世界に突入する。このテーマパークのメインステージは、洞窟の中である。洞窟風の建物ではなく、本当の元鉱山の洞窟を利用しているため、超リアルである。ヘルメット必須であり、かぶらないと天井に頭をぶつけてケガをする。
薄暗い洞窟の中、ステゴサウルス、アンキロサウルス、ティラノサウルス……といった人気恐竜たちが設置されている。それだけで十分怖いのだが、歩いていると
「バリバリバリバリ!!」
「アンギャオオオオー!!」
と雷鳴や恐竜の鳴き声が坑内に大音量で響き渡る。正直、下手なお化け屋敷より、ずっと怖い。耐え切れず外に出ようと思ったが……出口が見つからない。ちょっとパニクってさまよっていると、ランランと赤い目をもった閻魔大王が現れた!!
「わあ怖い……って、閻魔大王?? なんで??」
と疑問がよぎる。なんと『恐竜ランド』には、地獄めぐりが体験できる『地獄極楽立体マンダラ』が設置されているのだ!! ビックリするくらい世界観がブレブレである!! 田舎町にたまにある地獄めぐりなのだが、本物の洞窟内にあるため恐怖感は倍増。子供なら泣き出すレベルだ。
一人で徘徊するには、かなり怖いテーマパークだったが、恋人同士で遊びに来るにはドキドキして楽しいかもしれない。
ちなみに併設している、『レストラン恐竜』『3D映画館』『万華鏡・鏡の世界館』は閉鎖中。テーマパーク内にはおみやげのお菓子しか食べ物を売っていないので、外界でたっぷり食べてから遊びに来たほうが良い。
少し離れた場所にある姉妹施設『恐竜館』も閉鎖しているが、恐竜の形の巨大遊戯施設がある公園だけは開放中である。
ただし、演出ではなく、ガチで土砂崩れしていたので気をつけよう!!
(取材・文/村田らむ)