モンゴルの闇市で発見されたミイラ「まだ死んでいない」

デイリーニュースオンライン

画像はYou Tubeより
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 モンゴル北部にて、ミイラ状態の僧侶が発見され話題となっている。仏僧は盗掘者によって掘り起こされ、闇市に売られそうになったところで当局に差し押さえられた。モンゴル警察は犯人を既に逮捕し、僧侶は現在、検死局に送られている。発見時、僧侶は牛皮に包まれた状態で、蓮華座と呼ばれる座禅を組んだ姿のままであった。頭部にはまだ髪の毛が生えそろい、まるで眠っているかのよう。同地の仏教関係者は、仏僧があくまで「瞑想状態にあり、まだ死んでいない」と話している。検視にあたった科学者らも、モンゴル北部の寒さが影響した可能性は認めながらも、僧侶が一体なぜこのように綺麗な状態で発見されたのか、理由は定かでないと話している。

 ダライ・ラマに化学を教えた経験もあるバリー・ケルジンによれば、僧侶は“tukdam”と呼ばれる極めて珍しい瞑想状態にあり、「もしも僧侶がこの瞑想状態を維持できれば、彼は仏陀になれる」という。今のところ、僧侶の身元は明らかになっていない。しかし一説には、かつてこの地域に暮らした「ラマ・ダシ・ドルチョ・イチギロフ(Lama Dashi-Dorzho Itigilov)」なる人物であるとも推測されている。

 旧ソ連時代の1927年、ブリヤート(ロシア内の仏教国)の僧侶であったイチギロフは、教え子らに、これから自分は死ぬことを伝え、30年後に遺体を掘り起こすよう話すと、蓮華座を組み、瞑想状態のまま死んだといわれる。そして30年後、師の教え通り弟子たちが遺体を掘り起こすと、イチギロフの遺体は綺麗なミイラとなっていた。しかし当時、この一帯はソ連支配下にあり、ソ連当局による圧力を怖れた彼らは、再び師の身体を埋め戻してしまう。そしてソ連崩壊後の2002年、遺体は再び掘り起こされ今度はモンゴルの寺院に安置された。しかしそれが今回盗まれ、闇市で売られそうになったことで世間の脚光を浴びたのである。

 こうした“腐敗しないミイラ”は世界に少なからず存在している。例えば中国の長沙市で二千年前に死亡した女性のミイラが生々しい姿で発見され、話題となった。またイタリアのシチリア島にはロザリオ・ロンバルドと呼ばれる少女のミイラが存在しており、まるで昨日死亡したかのようにその美しさを保ち続けている。しかし昔の人々が一体どのような条件や方法でこうしたミイラが造っていたのかは諸説あり、現在でも明らかになっていない。

(取材・文/X51

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