【プロ野球】日ハム・栗山監督は不甲斐ない…キャンプで見えた12球団の期待度

デイリーニュースオンライン

監督の“色”は、チームのモチベーションと結果に直結する重要な要素だ
監督の“色”は、チームのモチベーションと結果に直結する重要な要素だ

チーム戦略に欠ける栗山監督の不甲斐なさ

 キャンプイン前、日本ハムの栗山英樹監督は「斎藤佑樹が抑えならどうなるか。9回、1点リードの場面で相手が前のめりになっているとき、佑樹の球は相手にどう見えるのか」と語っていた。

 また始まった。何をアホなことを言っているのだろう。三振の取れない投手を抑えにしてどうするのか。

 栗山という監督は、個に固執しすぎだ。テレビを見ても、やれ大谷だ、斎藤だと、選手個人のことばかりを話し、「どんなチームにしたいのか」がさっぱり見えてこない。

 守りに徹するのか、攻撃重視なのかなど、チームの戦略や方針がまるで聞こえず、個人の話ばかり。聞く方も聞く方だし、答える方も答える方だ。

 確かに野球は「個」の集まりだが、監督とは、個を集めて戦略を作っていくのが役割だ。個をもって全体を口にするべきなのに、日本ハムの「色」が見えてこないのは、ここに原因がある。

 また、栗山監督が選手を名前で呼ぶのは気持ち悪い。大谷を「しょうへい」「かわいいね。食べちゃいたい」などという指揮官は前代未聞だ。

先が見えてしまった感のある楽天、DeNA

 もう一つ、今季も期待を持てそうにないのが楽天だ。

 新監督のデーブ大久保が掲げたスローガンは「一致団結」だったが、「一致団結してくれ」と言わねばならないほど、嫌われているのだろうか。

 星野監督とはチーム内の空気が違うはずで、空気が違えばまるで違う結果となるのが野球だ。また、チームが1年間モチベーションを同じレベルに保てるとは思えない。それを、監督以下、首脳陣がどうフォローするかにかかっている。早々にBクラスとなり、各選手がタイトル争いを始めるのではないだろうか。

 例年と変わらず、監督のキャラが前面に出てしまうDeNAもしかり。相変わらず一面を飾るのは中畑監督であり、選手がまるで伸びていない。終わってみれば2割5〜6分の選手が「レギュラーだ」という顔をしている。こうした空気を変えるには、指揮官が代わらねば無理だ。

 4年連続Bクラスで監督を続けているのも、中畑さんぐらいのものだろう。

ロッテ、広島はチームが変わりそうな空気がある

 シーズン前に、チームの方針や戦術、方向性をはっきりさせるチームは、勝ち負けは別としていい試合をする。

 今季、キャンプの方針が明確なのがロッテだ。キャッチャー出身の伊東勤監督だけに、チームの弱点がわかっており、特に捕手の育成を重視している。もちろん打線もしっかり鍛えねばならないが、長い目でみたとき、もっとも不安なのは捕手だ。これぞチーム全体をみている証拠であり、監督の「色」である。

 セ・リーグでは広島が色を出している。新監督の緒方により、カープの野球は昨年までとは変わりそうだ。現役時代の緒方は「走って守って」という選手で、手を抜くことはなかった。キャンプも厳しくするだろう。

 カープは「個」の力はある。練習量がすごいため、振り負けることもなく、野球の能力は培われる。ただ、身体で野球をやっていたら1年間を勝ち抜くことは無理だ。「個」が戦略的に野球をやらねば、優勝に足りない勝ち星を稼ぐことは難しい。

 個人が戦略的に野球をやれるかどうかにかかっている。たとえば、昨年169個も三振を喫したエルドレッド。バットに当てられなければ「意味のないアウト」だ。走らなくていい場面で走って失敗することもある。2死一塁で引っ張りタイプの左打者を迎えたとき、走者を走らせてアウトになるより、間隔の空いた一、二塁間を狙って打たせれば一、三塁のチャンスが作れるが、こうした考えを選手が持てれば、足りない勝ち星も補える。

死ぬほど鍛えられた… ロッテ時代の猛練習

 オレのロッテ時代、監督は「色」の固まりだった。その代表は有藤通世監督。若手を鍛える! と、特守でしごかれた。40分以上も動きっぱなしのノックだ。10メートルぐらいの距離で速い打球を打ってくる。現役を引退したばかりだったので、打球の速さが尋常ではない。しかも最後の最後まで足で追いかけねばならず、ダイビングなどさせてはくれない。呼吸が止まるかと思うほどの激しさで、真冬なのに身体から湯気が出たほど。体力のない人間は嘔吐してしまうため、特守のある日は昼飯を摂らない選手もいた。

 今思えば「体罰」のような練習で、有藤さんのノックと一発殴られるのと、どちらかを選べと言われたら、俺は間違いなく一発殴られる方をチョイスする。

 しかし、若い時代の猛練習は、年を取るほど財産となる。どんな選手にも「練習量」をこなさねばならない時期がある。量をこなさねばならない今の時期に、猛練習を重ねた選手が生き残っていくのだ。

 キャンプでは、そのあたりにも注目してみてほしい。

愛甲猛(あいこうたけし)
横浜高校のエースとして1980年夏の甲子園優勝。同年ドラフト1位でロッテオリオンズ入団。88年から92年にかけてマークした535試合連続フルイニング出場はパ・リーグ記録。96年に中日ドラゴンズ移籍、代打の切り札として99年の優勝に貢献する。オールスターゲーム出場2回。
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