【アニメキャラの魅力】穏やかな中に熱い気持ちを隠し続ける大人の男「多蕗桂樹」とは?『輪るピングドラム』 (1/2ページ)
新作『ユリ熊嵐』も気になる、幾原邦彦監督の2011年の作品『輪るピングドラム』は、3人の子供だけでつつましく暮らす高倉兄弟妹を中心に、幼いころの心の傷や、とある事件で運命が変わってしまった人々を描く、愛と命について考えさせられる作品です。今回ご紹介する「多蕗桂樹(たぶきけいじゅ)」は、主人公の「高倉冠葉」「高倉晶馬」兄弟の高校の担任教師です。
【※一部、ネタバレの内容を含む可能性が御座います。ご注意下さい。】
■先生がストーキングされていた!?
多蕗の担当する生徒、高倉冠葉・晶馬の妹、陽毬が病死してしまいます。ところが、水族館で購入したペンギン帽子をかぶったとたん生き返り、エロチックな容姿のプリンセス・オブ・クリスタル(以下プリクリ様)に変身し、陽毬を取り戻すために荻野目苹果(おぎのめりんご)がもつという「ピングドラム」を探すように兄弟に指示します。
指示通り、学校をさぼり苹果をストーキングする兄弟は、なんと、苹果が多蕗をストーキングしていることに気が付きます。床下に忍び込んだり盗聴したり侵入したりと、かなり本格的な犯罪者です。こんなにストーキングされていたのですが、なんと、ストーカーの苹果すら知らない彼女がおり、サクっと婚約、サクっと結婚します。
■桃果や苹果との関係
なんと多蕗は、苹果の死んだ姉・桃果の幼馴染で、将来を約束した恋人でした。荻野目家にもいまだに出入りしており、毎月20日の月命日には、苹果と一緒に桃果の好物のカレーライスを食べています。
多蕗はピアノの才能があり、子どものころから母親に厳しくしつけられていました。しかし、さらに才能がある弟が生まれたことで運命は動きます。音楽の才能しか認めず愛せない母、そして弟にいつか追い抜かれるという恐怖から、幼い多蕗は自ら手に怪我を負い、自らをピアノの弾けない体にしてしまいます。
結果、こどもブロイラーという子捨て施設(この施設は比喩表現の可能性あり)に捨てられてしまいます。そこに、まるで戦隊ヒーロー的な行動力の桃果が現れます。逃げる気力もない多蕗に「必要としている人間のもとに帰るの。それが私」「私のために生きて」と言い切り、連れ出す桃果。