マネージャーや事務所すらも把握できなかったアイドルの秘密 (3/3ページ)

新刊JP



――最後の一冊はいかがですか?

山田:悩んだのですが、川原泉さんの『川原泉傑作集 ワタシの川原泉IV』にします。この方は少女漫画のジャンルに入るのですが、哲学的だったり理系的だったりという要素が漫画に含まれていて、すごく独特なんです。デビュー作品が「たじろぎの因数分解」ですからね(笑)

――星雲賞も取っていらっしゃいますね。

山田:星雲賞コミック部門を受賞した『ブレーメンII』は一応SF作品ですね。旅情系SFとでも申しましょうか。僕は川原さんの作品をほぼ全て揃えているのですが、どれか一つの作品にはしぼれないので、最近出版された『川原泉傑作集 ワタシの川原泉IV』をここでは挙げたいと思います。
あ、哲学的とか理系的とか言いましたけれど、まったく難しくないですよ。笑いの要素が最もふんだんに入っています。僕も本を書くときに笑いの要素を入れようと努力しているのですが、川原さんの漫画はその点でも素晴らしいです。

――では最後に、読者の皆さまにメッセージをお願いできますか?

山田:『あいるさん、これは経費ですか?』の第1話と、3月に出る第2巻『結婚指輪は経費ですか?』の第4話が個人的に面白いので、そこだけでいいので読んでほしいです。その2本は、僕が今まで書いてきた作品の中でも一番好きです。
この2つの話を読んでもらうために、ずっと会計士を頑張ってきたといっても過言ではありません(笑)。第1巻第1話の最後の5行と、第2巻第4話のあいるさんの決めゼリフ。これを書くためにずっと仕事してきたと、書いていて思いました。僕は本業は会計士ですが、魂は作家志望なんだなと思った瞬間です。
ぜひ、その部分を楽しみに読んでみてほしいですね。

■取材後記
 この『あいるさん、これは経費ですか?』は、芸能界や出版業界と縁の深い山田真哉さんだからこそ書くことができる一冊。アイドル戦国時代と呼ばれる今、「あなたはそれでもアイドルを応援し続けますか?」と問いかけるような第1話、出版不況の「なれの果て」が浮き彫りになる第3話など、輝かしい世界の裏をえぐる“お金”のエピソードは誰もが引き込まれるはず。3月に発売予定というシリーズ第2巻も楽しみです。
(新刊JP編集部/金井元貴)

■山田真哉さんプロフィール
 作家、公認会計士・税理士。日本最大級の芸能界専門会計事務所である一般財団法人芸能文化会計財団で理事長を務める。1976年、神戸市生まれ。大阪大学文学部史学科卒。東進ハイスクールを退職後、公認会計士試験に合格。中央青山監査法人/プライスウォーターハウスクーパースを経て、2004年、独立。著書に『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』『女子大生会計士の事件簿』他。
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