【3.11】東日本大震災、海外ではこう報道されている<イタリア編>

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【3.11】東日本大震災、海外ではこう報道されている<イタリア編>

2011年3月11日に、東北地方を襲った東日本大震災から、今年で4年目。今なお、多くの人たちが自分の家に帰ることもできず、原発の問題も山積みのままとなっています。 こうした問題は海外でも驚くほど細やかに報道されており、今なお高い関心があることがうかがえます。イタリアでは、どのような報道がされているのでしょうか。

ローマの追悼イベントを取り上げた「La Repubblica」

Una lunga e profonda amicizia ci lega al Giappone. Roma insieme ad altre città del mondo vuole portare un messaggio di solidarietà e di partecipazione al ricordo di quel dolore.

「私たちは深く、長い友情でつながっている。私たちは世界中のほかの都市ともに、この傷みの記憶を分かち合い、団結していることを伝えたい。」

出典: La Repubblica

「La Repubblica」では、ローマ市庁舎のあるカンピドリオ広場で行われた追悼セレモニーの様子が記事になっています。地震の起こった6時46分(日本時間で14時46分)の黙祷に合わせて、早朝にもかかわらず多くの人が集まりました。

現地に住む日本人にとって、何かが起きた時に「すぐ日本に帰る」というのは簡単なことではありません。セレモニーに参加した人の中には地震が起きた当時、すでにイタリアに住んでいたという人も少なくありません。ニュースで流れる光景をただただ唇を噛むような思いで見ていたことでしょう。

上記で引用したのは、セレモニーの中でローマ市長のマリーノ氏が述べた言葉です。遠い地で起きた出来事に対し、そんな言葉をかけてくれるのはただただありがたいという思いです。

放射能による影響を中心に報道する「il Giornale」

出典: il Giornale

「フクシマから4年後の日本」というタイトルで、放射能汚染に関する話題を展開したのは「il Giornale」です。炉心を冷やすために300トンもの汚染水が毎日排出されていることや、その処理が追いついていない状況が記されています。

「除染作業は終わりがないように見える。山は森に覆われ、川はすでに除染済みの地域に新たな汚染をもたらしてしまう。福島県には、駐車場や公共の公園など、まだ除染されていない場所が54000箇所もある」

報道の内容としては上記のようなもの。何をしなければいけないということでなく、やるべきことが山積みになっていて、さらに新しい問題が生まれ続けていることが淡々と記されています。それだけに、読んでみると「まだ何も終わっていない」ということが突きつけられるような気持ちになります。

まだ何も解決してないかもしれないけど

私がイタリアに引っ越したのは2012年1月。まだ震災の記憶は新しく、会う人みんなに「その後の状況はどうなの?」と聞かれました。
中には「もう全部大丈夫なの?」と言う人もいて、そのたびに「食べ物や電気がないなんてことはないけど、家に帰れない人もいるし、まだ解決したとは言えない」というようなことを、つたない言葉で伝えていた記憶があります。

4年が過ぎてもまだまだ状況は難しく、何かが解決したとは言えないかもしれません。それでも少しずつ、復興が進んでいることを願わずにはいられません。

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