【淡路島5人殺害】ウルトラニート平野容疑者「生活保護」と「逮捕歴」の過去も

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平野容疑者が訪れていた小久保交番
平野容疑者が訪れていた小久保交番

 3月9日未明、兵庫県・淡路島の洲本市中川原町で起きた男女5人を殺害した事件で容疑者として逮捕された平野達彦容疑者(40)について、捜査関係者は、「裁判まで事件のことは話さない」と、依然として取調べに応じることはないと明かす。

 そんな平野容疑者だが、中学校時代から引きこもりだったということもあり、その経歴はほとんど表に出てこない。TwitterやFacebookといったネットでこそ彼が生きていたという痕跡はあるものの、実社会でのそれはほとんど見当たらない。本サイト既報のとおり、まさにマスコミ記者泣かせだった。そんな平野容疑者の小学校時代からの経歴・足跡逮捕がおぼろげながら徐々に明らかになりつつある。

【淡路島5人殺害】新聞記者&リポーターが困惑「引きこもりすぎて痕跡がない」

高校中退後にひきこもり、中傷書き込みで逮捕歴

 当初、いじめに遭い引きこもっていたと伝えられた平野容疑者だが、地元の小学校の同級生によると、「田舎の小学校で同級生も少ない。いじめられていたかといわれると、それはなかったと思う」と、いじめについて明確に否定した。だが中学校の途中から不登校になった事実は認めた。

 洲本市内の中学を卒業後、兵庫県神戸市の村野工業高等学校に進学する。同校関係者によると、約15年前ということもあり正式な資料の類は存在しないとしながらも、「確かに在学していた事実はあった」と同校に在学していた事実を認めた。在学中の平野容疑者は「特に目立った行動をする生徒でもなく大人しい印象の生徒だった」(同校関係者)と語る。

 遠距離通学のため、部活動などは行なわず授業が終わるとすぐに帰宅するという生活だったようだ。特に親しい友人もいなかったという。

 村野工業高校を2年で中退した理由について、前出の同校関係者は、「遠距離通学が大変で休みがちになったのではないか」と推測する。平野容疑者が住む洲本市内の自宅から神戸市内の高校まで当時、フェリーと電車を乗り継いで通学しなければならなかったからだ。

 高校中退後の平野容疑者の足取りはぷっつりと途絶える。恐らく洲本市内の自宅に引きこもっていたのだろう。しかし、この平野容疑者が引きこもりだった時期、兵庫県警洲本署に逮捕されていたことが関係者への取材で明らかになった。今回の事件で殺害された平野毅さん(82)の家族写真をインターネット上に掲載し、中傷したとのことで、名誉毀損容疑での逮捕だったという。この2010年の逮捕では立件は見送られたが、その後、県の措置で強制入院となり退院後、兵庫県明石市内に転居した。転居後、「特に職に就くことはなかった」(関係者)という。

生活保護受給を受けていたことも判明した

 退院後、兵庫県明石市内にアパートを借りて近隣の病院に定期的に通院している。淡路島・洲本市から明石市への転居時期は不明だが、近隣住民の話では、「2015年の1月頃まで(明石市内のアパートには)いたはずだ」と話す。

 さて、この明石市内のアパートで1人暮らしをしていた時期、平野容疑者は生活保護を受けていたことが、今回、明石市関係者への取材で明らかになった。

「2014年10月、平野容疑者のご両親から電話で市の担当のほうに相談があった。その後、ご両親が役所にやって来て市職員を交えて面談しています」(明石市関係者)

 平野容疑者と市職員との面談では、「(平野容疑者が)病院に通院していない」「アパートの家賃、光熱費などが滞っているようで心配している」という話がなされた。これを受けて市側は、平野容疑者と直接面談し、「生活保護受給をしているのだから、普通、金に困ることはないはず」だとして、しっかりとした金銭感覚を持って生活するように指導した。

 その際の平野容疑者の様子について、前出の明石市関係者は、「特におかしな人という印象はなかった」とし、「部屋の中も片付けられており、服装もこざっぱりしたモノを身に着けていた」と語る。

 今年1月頃まで住んでいたという兵庫県明石市のアパートを訪ねてみた。JR西明石駅から国道2号線を北西に歩いて約15分の住宅地にそのアパートがある。グレーの外観の3階建て。間取りは9畳の洋間で家賃は1か月、約3万円である。

 アパートの住民によると、「ほとんどが若いサラリーマンで単身者」しか住んでいないという。平野容疑者については「一度、目があって挨拶をしたことがあるが、とても事件を起こすような人には見えなかった」と証言する。また近隣住民も「自分が知る限り住民トラブルのようなものは聞いていない」とし、そもそも平野容疑者が住んでいたことすら知らなかった。

交番で自転車の盗難届を出してすぐに取り下げ

 そんな平野容疑者だが、自身が作成した「電磁波犯罪とギャングストーキングの実行組織と実行者一覧」という意味不明なリスト上にアップされているのが明石警察署小久保交番だ。グーグルマップ上のリストにはメモでこう書かれている。

管理ネット(kanri.net)の代表の平野達彦が自転車で帰宅途中、交番から出てきた警官がパトカーに乗って発進し、管理ネット(kanri.net)の代表の平野達彦に指立て行為!
(原文ママ、抜粋)

 平野容疑者が住むアパートから歩いて5分程度の距離にある。筆者が交番や警察関係者に取材すると、以下の様なやりとりがあったという。

 明石署小久保交番に平野容疑者がひょっこりやって来たのは昨年10月15日のこと。

「西明石駅で止めていた自転車を盗まれました」

 交番では自転車盗難の被害届を提出。肩書きは無職だった。関係者によると、「交番ではごく普通の人といった印象だった聞く」という。被害届を出した平野容疑者は、そのまま大人しく交番を後にした。だがその翌日、再度、平野容疑者が交番にやって来た。

「いや、自転車を止めていた場所を勘違いしてました(笑)」

 こうして平野容疑者は、被害届を取り下げて帰っていった。事件以降、明石署でも小久保交番は、先に紹介した平野容疑者のリストに入っていることを把握したが、関係者によると、「交番と平野容疑者との間にトラブルのようなものはなかったと聞いている」と話す。平野容疑者が勘違いから一方的に敵意を抱き、被害妄想に陥っていたということか。

 生活圏内を自転車で移動していた平野容疑者の行き先は、主に病院と西明石駅界隈、近隣のビデオショップだった。

 近隣のビデオショップでは、「お客様として来られていたようです。事件発生後、報道で出た顔写真でまさかと思った」(ビデオショップ店員)。DVDやCDなどを借りることもない、滅多に来ない客だった。それでも覚えているのは、「礼儀正しく大人しい人柄で妙に印象深かった」(同)ことから不思議に記憶に残っていたという。

 ほとんどアパートの部屋にいたといわれる平野容疑者の日常が、ごくわずかながらも見えてきた。現場で取材に当たっている新聞記者によると、「明石市内の病院に入院中に彼女がいた」という声もある。

(取材・文・写真/川村洋)

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