崖っぷち安倍晋三首相の切り札は「橋下徹と電撃合体」 (4/4ページ)
首相就任の十数日後には、自ら大阪に出向き、橋下、松井両氏に会って、感謝の意を伝えているほどですから」(前出の在阪記者)
その1か月半後の13年2月、初訪米直後、安倍首相自ら電話を取って、オバマ大統領との会談内容を橋下氏に伝えるという異例の対応まで見せている。
かねてから総理は、
「(橋下)維新は日本を変えるパワーを持っている」
「教育問題でも憲法改正でも、彼らの力を生かしていく道を考えていきたい」
と言い、さらには、
「橋下氏は同志」
とまで公言。
寵愛を実感した橋下氏は、その余勢を駆るのも至極、当然だろう。
政界を"大爆走"し、今、ようやく悲願の大阪都構想実現に向け、本格的に動き出した。
維新の党の関係者が言う。
「大阪都構想の第一歩である住民投票は、5月17日。ここにきて、それまで都構想に反対だった大阪公明党が、(橋下氏の意向を受けた)安倍=菅官邸ラインの強力なプッシュで翻意し、住民投票で都構想が信任される可能性は限りなく高まっています」
住民投票で信任の結果となれば、2年後の17年4月、大阪府は正式に大阪都になる。橋下氏の宿願が、大きく羽ばたくのだ。
恐るべき安倍首相の手練手管
在阪の記者が言う。
「大阪都構想が実現すれば、必然的に大阪市長職は廃止になります。これまで、橋下氏の国政進出を阻んでいた、地元住民の"大阪を見捨てるのか"という声は完全になくなるわけです。以後、橋下氏は、新たに大阪都知事選に出馬して初代都知事の座を狙うもよし、国政を目指して突っ走るもよし。フリーハンドを手に入れるんです」
加えて、大阪都構想が成った暁には、安倍首相が目論む
「16年秋、遅くとも17年春には改憲を実現させたい」(船田元自民党憲法改正推進本部長=2月14日)
に沿い、橋下氏はサポートに回るというのだ。
「首相は、17年4月の消費再増税前には、憲法改正を成し遂げたいとのスケジュールを描いています。消費増税以降では、安倍内閣支持率低下は明白。その前に勝負に出る腹づもりです」(前出の鈴木氏)
何はともあれ、安倍自民党と橋下維新が電撃合体。"新保保連合政権"樹立へ進む絵図だというが、事はそう簡単ではない。
ジャーナリストの宇田川敬介氏が言う。
「大阪都構想が実現しても、黒字になる部門は人件費と公共施設の維持費ぐらい。電車、バスなどの交通関連のコストカットを含めて住民サービスの質が格段に落ちることは数々の検証結果、自明の理となっています。安倍首相は、橋下氏を援助するとしながら、近い将来の橋下氏の失敗を予見。将来、ライバルになるかもしれない"芽"を、さっさと摘んでおきたいと考えているのかもしれません」
日々、国会で浴びせられる罵倒の中、安倍首相はどこまでクレバーでいられるのか。真価が問われている。