「こんなにアコギな商売はない」不動産業界の裏側を暴露 (3/3ページ)

新刊JP


だから僕らは、不動産の売買をする時、そこに住むにあたって必要な施設、たとえば耳鼻科、小児科、歯科といった各病院だとかコンビニ、銀行、郵便局、学校、バス停の場所と時刻表など、あらゆることを調べ上げて、全部お客さんに教えます。もちろん近所にどんな人が住んでいるかも全部僕らが訪問して調べる。そのうえで金額を出してお客さんに選んでいただきます。調べる分僕らの仕事はすごく増えますが、絶対にお客さんのためにはなる。それなら、そちらを「業界のスタンダード」にした方がいいはずです。

――今おっしゃったような、顧客や従業員の満足度を高めるためのノウハウが、本書で明かされている「皆生感動システム」です。このシステムについて改めて教えていただいてもよろしいですか?

五嶋:「皆生感動システム」というのは、自分たちの仕事に関わる人みんなが感動でつながっていくというシステムです。
売上が伸びている時は忘れられがちですが、従業員が泣いているかもしれませんし、お客さんが全く満足していないかもしれません。あるいは業者さんや職人さんに払うお金を叩きに叩いているかもしれません。たとえ売上が伸びていてもこういう会社は続きません。なぜわかるかというと、僕もかつてはそちら側にいたので。

――そのあたりの五嶋さんのこれまでの道のりは、本の中で非常に印象的に書かれていました。

五嶋:当時はやりがいを感じるような仕事は全然していませんでしたね。ただただ私利私欲のためというか、お金のため、売上のために働いていましたし、部下に「売上が立たないなら寝ないで働け」というようなことも言っていました。でも、そういうやり方はもって3年か4年です。
それなら、細くても長く続くように、従業員がやりがいや生甲斐を感じるような仕事にすべきだと今は思っていますし、お客さんには喜びと感動を嘘偽りなく提供したい。それに、実際に家を作る職人さんにも、手がけた仕事を誇りに思ってもらいたいんです。たとえば、職人さんは、自分の建てた家を見ないんですよ。

――建てる作業をしているのに「見ない」とはどういうことですか?

五嶋:彼らはある現場が終わったらすぐ次の現場に行ってしまいますから、自分の作業の結末を後から見返すことはないんです。もっといえば、自分が今誰の家を作っているのかもわかっていません。これではやりがいもプライドも持てないでしょう。これも一つの「業界のスタンダード」なんです。
いい家を建てるためにも、やはり職人さんたちには、自分の建てた家が誰の家で、どんな風に仕上がったのかを知るべきです。そこで、僕たちが始めたのが、お客さんと初めて出会った場面から家が建つまでの工程の全てを映像で記録して、そのDVDを職人さんも含めた関係者全員に配るということなのですが、これを始めてから職人さんたちの仕事はすごく変わりましたね。やはり、自分の技術が家を建てる人に喜びと感動を与えていることが見えるのは大きいんです。
(後編につづく)
「「こんなにアコギな商売はない」不動産業界の裏側を暴露」のページです。デイリーニュースオンラインは、カルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る