全ての癌患者の情報が同意なしに登録義務化される「全国がん登録」。個人情報は大丈夫? (2/2ページ)
『そこで、全国がん登録を行うことによって、国民のがんの罹患数、がんの進行度、生存率を正確に把握して、地域に合った医療計画を立てたり、地域でがん検診が効果的に実施されているかを検証したり、医師と患者が治療方針を決定するために生かしたりすることができると説明されています』(木川雅博弁護士)
■個人を特定できる情報と診療情報は紐付けられない!
次にがん登録の手続きがどのように行われるか教えてください。
『全国がん登録制度では、すべての医療機関はがんと診断された患者のデータを都道府県知事に届け出ることを義務付けられています。がん患者の情報は、がんと診断された時点で自動的に医療機関と都道府県を通じて、国立がん研究センター内にある全国がん登録データベースに登録されます』(木川雅博弁護士)
それはつまり患者の同意を取らずに登録ということでしょうか。
『「同意なしで自動的に登録されてしまうの?」と思うかもしれませんが、がん登録等の推進に関する法律上、患者本人の同意は不要とされていますし、患者情報は医療のためとくに必要とされるので個人情報保護法上も適法となります』(木川雅博弁護士)
個人情報保護法も適法されるとはいえ、がん登録の法律上、患者本人の同意が不要とされているのは少し不安な気がします。
『全国がん登録データベースに登録された後に登録されたデータを用いるときは個人情報が特定された形で公表されないようにするため、住所・氏名・生年月日等と診療記録が紐づけられないようにするという形でがん患者の情報は守られます』(木川雅博弁護士)
診療記録と個人を特定できる情報が切り離された形で管理を行うとのことで、この木川雅博弁護士の発言に安心した方も多いのではないでしょうか。
全国がん登録の理念には「がん医療の質の向上等、患者等のがん・がん医療の理解の増進に資するよう情報を活用 」と書かれています。これによって、がんに対する治療法の進歩やがんそのものに対する理解が進むことを願ってやみません。