NHKドラマでも話題「意識高い系」サラリーマンの痛すぎる行動

デイリーニュースオンライン

「その男、意識高い系。」公式HPより
「その男、意識高い系。」公式HPより

「そのタスクは来週のMTGからキックオフ。メンバーをエンカレッジするイノベーションの提案によって、フルコミットするエモーションを盛り上げたい(注1)」

 最近、職場でこんな調子で喋る若者は居ませんか? しかもドヤ顔で。数年前からネット上を中心に増殖し、話題を呼んでいた人種、「意識高い系」の人々のボキャブラリーだ。

 そもそもは、就職活動時に自分の経歴やプロフィールを盛ったり、やたら勉強会や交流会を開いたり、ビジネス書を読み漁っては真似をしまくり、SNSを頻繁に更新してフォロワーや友だちの数を増やしたり、経営者や有名人との繋がりをアピールする(注2)。……こんな学生たちが「意識高い系」と呼ばれ始め、『「意識高い系」という病』(常見陽平著・ベスト新書)という本まで出たほど、一部でその生態に注目が集まっていた。本来なら「意識が高い」のはいいことであるが、「意識高い系」は実力の伴わない、見せかけの示威行動が揶揄の対象となってきた。

ドラマにもなった「意識高い系」

 その初期「意識高い系」が企業へ入ってきて数年が経ち、今度は企業内で意識の高い行動を連発している。その模様をドラマで描いたのが、NHK BSプレミアムで放送中の『その男、意識高い系。』(注3)だ。

 主人公は34歳の熱血OL坪倉春子(伊藤歩)で、彼女の会社にやってきたのが「意識高い系」新入社員、一条ジョー(林遣都)。反省しない・後悔しない・成長しない彼に振り回される毎日をコメディタッチで描き、なかなか笑える。

「そりゃあドラマは面白おかしく脚色するし、SNSも顔を合わせないから盛るんでしょ? 実際にはそんな人、あまり見ないけど」

 と、いう方もいるかと思う。それが……「意識高い系」は実在するのだ!

 一時期、「ノマド」や「ノマドワーカー」という言葉が流行った(注4)のをご記憶だろう。ある時、筆者の後輩のアラサー女性社員が廊下の事務机でPCを開いていた。次に見かけた時は空き会議室、その次はロビーで。当然「何やってんだ。仕事なら自分のデスクでやれ」と注意したのだが、返ってきた答えは「私、ノマドワーカーになったんです!」。

 また「自分は〇〇〇なら出来ますよブッキング」と豪語する20代前半のN君。よく聞いてみると、〇〇〇のFacebookに「友だち申請」して承認されただけ。

 こうして見ると「意識高い系」はミーハーで自己愛が強い、単なる馬鹿と切り捨てることもできる。ただ、周囲を見回して「空気を読む」ことに血道を挙げる臆病な若者に比べれば、まだ「理想の」「なりたい」自分があるだけマシとも言える。あとは実力をつけるべくフルコミットで自らエンカレッジしてね。

(注1)そのタスクうんぬん…「その仕事は来週の会議から開始。新規提案でやる気出してもらって頑張らないとね」程度の意味。
(注2)有名人との繋がり…名刺交換したら、もうマブダチ。
(注3)ドラマ…毎週火曜午後11時15分から(4月21日まで)
(注4)ノマド…ノマド提唱者として有名なA女史もアレな人ではあった。

著者プロフィール

rensai_tanaka.jpg

コンテンツプロデューサー

田中ねぃ

東京都出身。早大卒後、新潮社入社。『週刊新潮』『FOCUS』を経て、現在『コミック&プロデュース事業部』部長。本業以外にプロレス、アニメ、アイドル、特撮、TV、映画などサブカルチャーに造詣が深い。DMMニュースではニュースとカルチャーを絡めたコラムを連載中。愛称は田中‟ダスティ”ねぃ

「NHKドラマでも話題「意識高い系」サラリーマンの痛すぎる行動」のページです。デイリーニュースオンラインは、ドラマ連載などの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る

人気キーワード一覧