水素社会実現に向けて、日本の技術が集結 (1/3ページ)
賽は投げられた。日本は次世代のエネルギー問題へのアプローチとして、水素に注力していくようだ。
■ 水素利用の最大の課題は“製造”か
将来のエネルギー源として、水素は唯一の絶対的な解答ではない。いや、むしろ水素はエネルギー源ですらない。なぜなら水素燃料を作るためには、けっこうなエネルギーを消費するからだ。水素に大きく期待されているのは、じっさいはエネルギー源そのものとしてではなく、太陽光や風力などによって作られた電力等のエネルギーを貯蔵、運搬する機能だといったほうがいいかもしれない。
自然エネルギーによる発電は、日照や天候に大きく左右され、供給が安定しないものが多い。しかし、電力の貯蔵は現在の技術では困難だ。そこで、余剰電力を使って水素燃料を作り、水素燃料という形で電力を貯蔵し、安定供給できるようにしようというものだ。水素燃料なら貯蔵は容易で、運搬もしやすい。
水素の活用には大きく分けて3つの段階がある。水素燃料の“製造”。水素燃料の“貯蔵・輸送”。そして水素燃料の“利用”だ。貯蔵、輸送に関しては、インフラの整備はともかく、上にも書いたとおり高圧タンクを使えば技術的には比較的容易だ。問題なのは“製造”と“利用”だ。
“利用”に関しては、少しずつ進んでいる。2009年には、水素を反応させて電力を作り出す家庭用燃料電池が発売され、昨年末には量産燃料電池車(FCV)であるトヨタ『MIRAI』が発売された。FCVはホンダや日産なども開発を進めている。
現在、水素燃料はおもに天然ガスから作られている。つまりサステイナブル・エネルギーではない。そしてその製造工程において温室効果ガスを排出している。したがって現時点のFCVは、それほど“エコ”といえるシロモノではない。
しかし、将来的に水素燃料は、太陽光やバイオマスなどによって作ることを目指している。そうすればサステイナブルなエネルギーになる。