もはや予定調和か…下村文科相の捜査に着手する特捜部の本気度 (2/2ページ)
確立された“予定調和”
下村氏には、「博友会」の名前を冠した後援会が10団体あるが、政治団体として届け出ているのは東京の「博友会」だけ。
ところが、他の団体は、定期的に講演会や懇親パーティーを開き、年会費を集めながら、「任意団体」のままである。明らかな政治資金規正法違反だが、下村氏は「違法性はない」と、主張している。
「任意団体で事務所として関与しているわけではない」という理屈のようだ。
しかし、「近畿博友会」の規約には「会費は年払いとし、『自由民主党東京都第11選挙区支部 下村博文』宛に振り込むものとする」という一文がある。
政治資金規正法逃れに選挙区支部を使っているのは明白。これが「適法」なら特捜部が政治家監視の“道具”とした政治資金規正法は、まるで機能しないことになる。
それでも、検察周辺から聞こえてくるのは「起訴は無理」という弱気である。「違法性を認識していなかった」と、下村氏や事務所関係者が供述すれば、それを法廷で裁くのは難しいという判断だ。
かくして、法的な形式が整っているので「受理して捜査」はするが、起訴には至らないという「予定調和」が確立。政治家は特捜部を恐れず、モラルは緩み切っている。
- 伊藤博敏
- ジャーナリスト。1955年福岡県生まれ。東洋大学文学部哲学科卒業。編集プロダクション勤務を経て、1984年よりフリーに。経済事件などの圧倒的な取材力では定評がある。近著に『黒幕 巨大企業とマスコミがすがった「裏社会の案内人」』(小学館)がある