「俺の会社なんだから俺の自由」と経営者が会社資金を私的に流用し、意図的に倒産させたら従業員は何も言えない? (2/2ページ)
従って、労働者は会社法429条1項に基づきこの代取に対して損害賠償請求できると考えられます」(井上義之弁護士)
■会社法に基づく損害賠償請求だけでなく、民法709条に基づいて損害賠償請求も可能かもしれません!
井上義之弁護士は更に興味深いことに触れてくれました。
「また、事例のようなケースでは、代表取締役の行為が端的に労働者に対する不法行為にあたるとして、民法709条に基づいて損害賠償を求める余地もあると思われます。ただし、会社法429条1項に基づく請求権の時効が10年であるのに対し、民法709条に基づく請求権の時効は3年です」(井上義之弁護士)
それぞれの請求権に対する時効が異なることは抑えておくべきでしょう。ちなみに損害賠償はどの部分について認められる可能性があるのでしょうか。
「損害賠償の額について説明を付け加えますと、突然職を失ったことに対する慰謝料が中心になると思われます」(井上義之弁護士)
「交通事故などと異なり、労働能力自体は失われませんので、例えば定年までにもらえるはずだった賃金相当額の賠償請求等は困難と考えられます(もちろん、実際に働いた分の賃金が会社から払われなかった場合は未払賃金相当額も損害となります)」(井上義之弁護士)
『代表取締役があまり会社に出勤してこない』、『普段何をやっているのかわからない』などの疑問を感じている方は、覚えておいて決して損はないでしょう。明日は我が身かもしれません。