第三十二回 海外へ投資をするときに見るべきポイントは? (2/3ページ)
資源の売り上げはその国の国民の教育水準が高まったからといって増えるものではないので、あまり先進国かどうかの判断基準とか関係なさそうですが、資源による所得があれば、それを使って消費や投資をすることはできますし、国家として国民に対して教育を与えるための予算が潤沢にあるということですから、うまく国家経営をすれば急速に先進国化する機会があるといえるでしょう。
ただし、資源の所有者が一部の特権階級に限られていて、それらの人達が国民一般の構成水準の向上に興味がない場合、一般国民と特権階級の間に格差が生じるだけで、資源を使い果たした後には何にも残らない国になってしまう恐れもあります。
資源国と先進国の両立が達成されているオーストラリアのような国もあり、この辺は国情によるのだろうと思います。
GDPの内訳上の表からもう一つみられる特徴として、GDP上位の国が必ずしも一人当たりGDPで上位にきているわけではないということです。
米国、日本、ドイツ、フランス、イギリス、カナダ、イタリアといったG7諸国をみると、トップの米国が10番目、イタリアは28番目です。GDP2位の中国に至っては、遥か下の85番目です。それでも中国は1990年から比べると順位を40位も上げてきているのですが。
では、資源国を除く上位陣はというと、これはおおむね北欧、ベネルクス諸国、スイス、サンマリノといった欧州の小規模国です。そこにアジアから珍しくシンガポールが入ってきています。
これらは、自国の特徴を活かした特徴的な経済運営で高い生産性を達成している国です。
逆に、経済の基幹をなすような重厚長大産業をワンセットそろえた「経済大国」を目指してはいません。シンガポールは商業の中心地として、貿易依存度が驚異的に高い国家経営を行っており、近年ではアジアの金融市場の中心地となることを狙っています。
スイスは欧州の永世中立国として、時計などの精密機器、医薬、金融といった高付加価値産業に特化しています。その他の国々も同じこと。