世界チャンピオンの拳を守る日本皮革製グローブ・・・その裏に隠された皮革産業の歴史 (3/3ページ)

FUTURUS

東京都の格闘技用品企業ウイニングは、ボクシングの世界では知らない者はいない一大メーカーだ。牛革で作った同社のボクシンググローブは、耐久性と安全性に優れた製品としてボクサーの間で認識されている。毎日何百発と繰り返されるパンチにもほつれない縫製、そしてナックル部分の衝撃吸収材は、同オンスの他社製よりも厚くてムラがない。練習中の拳の怪我を防ぐことができる。ボクサーにとって、拳は心臓よりも大切な部位だ。

メキシカンボクサーは試合の時は自国製レイジェスのグローブを使うが、それでも練習の時はウイニングを使用するという者も珍しくない。レイジェスの製品はナックル部分が薄く、パンチの衝撃が直接拳に伝わる。そのため試合ではKOがでやすい代わりに、練習に使うグローブとしてはやや敬遠されている傾向がある。

たった一試合で数億ドルを稼ぎだす王者の拳を守っているのが、日本の皮革製品なのだ。かつて日本人が敬遠してきた産業が、この現代に“ボクシングはエリートスポーツ”ということを証明し続けている。

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