【アニメキャラの魅力】地球生まれのふにゃふにゃ不思議系天才ハッカー「エド」の魅力とは?『カウボーイ・ビバップ』

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(C)サンライズ
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 漁船を改造したおんぼろ宇宙船『ビバップ号』で、2071年の宇宙を旅する賞金稼ぎ(カウボーイ)達の活躍を描いたSFアニメ作品『カウボーイ・ビバップ』。地球で起こった、とある「落書き事件」をきっかけに、ビバップ号に乗り込むことになったのが、今回ご紹介する「ラディカルエドワード」の異名を持つ天才ハッカー「エド」です。


【※一部、ネタバレの内容を含む可能性が御座います。ご注意下さい。】


■予測不能な行動、理解不能な言動

 本名「エドワード・ウォン・ハウ・ペペル・チブルスキー4世」(自分でつけたので本名ではない)。軟体動物のようなふにゃふにゃした動きと喋り方、みかん箱を外装に使ったハッキング用のお手製PCとともにビバップ号に乗り込んだ、弱冠13歳の天才ハッカーです。少年のような見た目ですが女の子で、ウエルシュコーギーの「アイン」とはとても良いコンビです。

 『カウボーイビバップ』の世界では、人々は「位相差空間ゲート」と呼ばれるワープ技術のようなものを使い、太陽系を宇宙船で往来しています。そんな時代において、エドは地球生まれ地球育ちです。当然、火星生まれのスパイク達とは常識が違い、ビバップ号に乗りこんだ後も、自由奔放なわけのわからない行動でスパイク達を困らせます。

 実は、「エド」というキャラクターは、『カウボーイビバップ』において人々が宇宙に生活圏を移した理由の裏付けにもなっているのです。40年前、月での位相差空間ゲートの実験中に大事故が発生し、月の表面が大きく削れ地球に降り注ぎ壊滅的な被害をもたらしました。この事態により地球は死の星と化し、人々は宇宙に逃れていきます。しかし、そんな中でも生活圏を地下に移し、地球に残った人々もいました。「エド」はそんな人々の末裔なのです。

 地球に取り残された人々は、宇宙の様子を通信でしか知ることができません。つまり、コンピューターは地球に住む人々にとって宇宙との繋がりであり、生命線なのです。そんな土壌があったからこそ、地球には“ネット世界を自由自在に泳いでいくハッカーが生まれやすい”という流れが出来上がります。

 「エド」というキャラクターは、この天真爛漫で好奇心旺盛な天才ハッカーが「どう生まれたのか?」を考えるだけで、『カウボーイビバップ』の世界観や設定を深く知ることができるキャラクターといえます。

■天才的な頭脳とハッキングの腕

 おかしな言動や行動の目立つ「エド」ですが、ハッキングの腕は確かなもの。地球にいながらにしてスパイク達が賞金首を取り逃したことを知っていたり、リアルタイムでパトカーをハッキングしラジコン変わりに飛ばしたり・・・とやりたい放題です。

 さらに、14話「ボヘミアン・ラプソディ」では位相差空間ゲートのプログラムを完成させた天才「チェスマスター・ヘックス」とのチェス対戦で「こいつは馬鹿か天才のどっちか」と言わせるほどの腕も持っています。23話「ブレイン・スクラッチ」では、スパイク達と共に賞金首となった電子移民財団・スクラッチの首謀者を突き止めるのに一役買うなど、着実にビバップ号の一員として活躍しているのです。

■名犬アインとの名コンビ

 17話「マッシュルーム・サンバ」は『カウボーイビバップ』の中でも最もハチャメチャで楽しい回です。この話では、エドとアインがカウガール&カウワンワンとして名コンビぶりを発揮します。

 違法キノコのブローカーをしている賞金首を、1人と1匹で追い詰めていくのです。スクーターに乗って荒野を爆走する姿も絵になりますし、何より賞金首を追い詰める過程では、ライバルの賞金稼ぎ達を持前の予測不可能な行動で蹴散らしていきます。

 視聴者はきっと、エドの成長(?)とビバップ号で過ごしてきた日々の積み重ねを実感することになるでしょう。軽快な音楽に乗せて賞金首を追いかけるエドの姿に、未来の大物カウガールの姿を見ました。

 そして、エドの魅力を語る上で外せないのが24話「ハードラック・ウーマン」です。この回で、エドは久しぶりに故郷である地球に戻り、地図を作り続けている実の父親「アップルデリー」と再会します。この子にしてこの父ありといった破天荒な父親で、格闘戦ではスパイクを圧倒するほど。

 随所で見せてきたエドの身体能力の高さは父親譲りだったのですね。アップルデリーは、地図作りに夢中になるあまり、託児所に預けていたエドのことを忘れてしまっていたと言います。再開もそこそこに、再びエドを置いて行ってしまうアップルデリー。そしてエドはここで一つの決断をすることになります。ビバップ号の甲板にいつものエドマークと「byebye」を書き残し、エドはビバップ号を降りるのです・・・。

 この後の25話と26話は、スパイクが自身の過去と対決していくような話になります。きっとその舞台に、エドは「居てはいけなかった」のだと思います。なぜなら、それぞれが様々な過去に囚われてるビバップ号のクルーの中で、唯一エドだけが、未来に向かって行けるキャラクターだったからです。

 地球生まれの破天荒な天才ハッカー「エド」。ビバップ号と共にぐるっと宇宙を一回りして再び地球に戻っていく。こんな気まぐれなお別れこそ、「エド」というキャラクターをもっとも如実に描いているエピソードなのだと感じました。


【原稿作成時期の都合により、内容や表現が古い場合も御座いますがご了承下さい】


★記者:サイコロ親分(キャラペディア公式ライター)

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