“カープ女子”ブームの火付け役『球場ラヴァーズ』で人生が変わる!? (1/3ページ)
最近、いろんなところで耳にする“カープ女子”。2014年のユーキャン新語・流行語大賞の年間トップテンに選出されるなど、じわじわと知名度を上げている。「なぜ、ほかの球団ではなく“カープ”女子なのか?」という分析は専門誌に任せるとして、ここは「ぶくまる」らしく、“カープ女子”をマンガで学んでしまおうではないか!
紹介する作品は『球場ラヴァーズ~私が野球に行く理由~』(石田敦子 / 少年画報社)。作者の石田敦子さんが、前述のユーキャン新語・流行語大賞の授賞式で表彰されるほど、“カープ女子”の火付け役として認知されているのだ。それもそのはず、連載が始まった2010年は「カープが長く低迷していた時期だったので、カープの漫画なんて隙間産業では、と言われ笑われた」と石田さんは振り返る。“カープ女子”という言葉が使われ始めたのは2013年頃。その先見の明はもちろん、“カープ女子”なるものの存在や生態を方向づけた(?)のも、この『球場ラヴァーズ』なのだ!
主人公は女子高生の松田実央。黒髪の美少女であり、野球のことをまるで知らない“野球処女”(作品からの引用ですよ!)。そんな彼女は、クラスの女子にイジメを受けている。疎外され、金銭を要求され……。ついに援助交際に手を染めようと声をかけた“赤い帽子の男性”に、慰めの言葉をかけられる。しかし、思い余って男性の荷物を奪ってしまった実央。その中には、お金と一緒にカープのオープン戦のチケットが入っていた……。
男性に荷物を返すために、実央はオープン戦の試合会場を訪れる(当然、実央がチケットを持っているから男性が現れることはない)。そこで目にしたのが、全身を真っ赤に染め、声を涸らしながらカープを応援する人々の姿。実央は声をかけてくれたカープファンの妙齢女子・基町勝子と下仁谷みなみに、こう言い放つ。
「他人のこと応援して楽しいですか応援して どうなるわけじゃないのに。自分に関係ない人がやってる野球に必死になってここにいるみんな偽善者みたい」
うわあああ、キツい! 『ドカベン』や『キャプテン』で育ってきた世代には衝撃的な“野球否定”からの始まり。そもそも女子が主人公、しかもプレーをしない、さらにイジメ問題を扱うなど、野球マンガとしては異例づくしなのだ。