【東京みなと祭】自衛隊の護衛艦「ゆうぎり」に乗ってみた
さる5月23日・24日、東京・晴海ふ頭にて『第66回東京みなと祭』が開催された。東京湾開港記念日を祝して行われるこのイベントで、自衛隊の護衛艦『ゆうぎり』の乗艦見学ができるというので足を運んだ。
護衛艦『ゆうぎり』はヘリコプター搭載護衛艦。自衛隊では何でも護衛艦なので分かりにくいが、昔でいうところの駆逐艦、対潜水艦戦を基本として海と空の敵に対処する。
乗艦にあたっては荷物のチェックを受け、甲板へ。全長137m、排水量3500トンは数字以上に大きい。
甲板で目立つのは76㎜速射砲だ。毎分80発をフルオートで撃ち出す。最初に銃の弾倉に当たる部分に80発の砲弾を込めておくが、それは人間の作業。大変そうだが、砲弾は一発15~6㎏程度とさして重くないため、大した作業ではないそうだ。
対艦ミサイルのハープーンは艦の中央部に設置されている。対艦ミサイル、対潜水艦ミサイル、魚雷、対空ミサイルがそれぞれ装備されていて、全方位での戦闘が可能なのだ。
後部甲板のシースパロー短SAM8連装発射機。対空ミサイルだ。マンガに出てくるミサイルのような形をしていて、とてもわかりやすい。
ヘリコプター搭載艦なので、ゆうぎりにはヘリコプターのSH-60Jが積まれている。空中給油も可能なんだそうだ。
戦後民主主義教育の賜物で、私は自衛隊の艦艇というとむやみに危ないという印象を持ってしまう。しかし実物を見て最初に思ったのは、航海は大変だということ。一度出たら数カ月戻って来ないことはざらだそうで、人間力というか人としてできてないと船乗りは務まらない。
ミサイルや速射砲も大きさこそ予想以上だったが、機械としては極めてシンプル。兵器は機械であるという肌触りがわかったことは収穫だった。何が何でも戦争反対という感情論ではなく、こうした兵器の実情や運用をよく知り、リアリティを持った論議をすることが戦争を抑止するのだろう。
会場では自衛隊の車両紹介や自衛隊関連グッズの販売も行われていた。市民におもねる必要はないだろうが、情報公開の機会が増えることは歓迎したい。
(取材・文/川口友万)