【アニメキャラの魅力】ビバップ号のオーナー!スパイクの良き相棒「ジェット・ブラック」の魅力とは?『カウボーイ・ビバップ』

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(C)サンライズ
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 漁船を改造したおんぼろ宇宙船『ビバップ号』で、2071年の宇宙を旅する賞金稼ぎ(カウボーイ)達の活躍を描いたSFアニメ作品『カウボーイ・ビバップ』。このビバップ号のオーナーで、主人公スパイクの良き相棒が、今回ご紹介する「ジェット・ブラック」です。筋骨隆々の体に禿げた頭、髭面のオヤジ臭いキャラなのですが、いつもめちゃくちゃな行動ばかりするビバップ号の面々を、時には諌め、時には全力で支援する、作品には欠かせない人物です。


【※一部、ネタバレの内容を含む可能性が御座います。ご注意下さい。】


■料理からメカニックまで何でもこなす渋い男

 『カウボーイ・ビバップ』を語る上で外せないのが、第1話の冒頭で出てくる料理です。その料理とは「肉抜きチンジャオロース」。「肉が入ってねぇチンジャオロースはチンジャオロースとは言わないんじゃないか?」と言うスパイクに、「金がねぇ時は言うんだよ」と答えるジェット。初っ端から交わされる、この二人の軽妙なやりとりこそが『カウボーイ・ビバップ』という作品の根底なのだと思います。

 SFという世界観にもかかわらず、エプロン姿で料理をし、生活感あふれる姿を見せてくれるところなど、この作品が、視聴者達の現実とどこか繋がっているという事を感じさせてくれる・・・、そんな大切な役割を果たしていると感じます。

 料理の他にもビバップ号でジェットが担っている仕事は沢山あります。第2話以降、ビバップ号に乗りこんだ犬(ウェルシュコーギー)アインの世話や、スパイクやフェイの戦闘機の整備、スパイク達がビバップ号に持ち込む様々なものの解析等です。結局のところ、スパイクやフェイが面倒くさがってやらない事を、全部ジェットに押し付けているだけなのですが、それを全て受け止めてしまうほどに懐の広い男、それが「ジェット・ブラック」なのです。

■「浪花節」「男の生き様」が似合うオヤジ

 ビバップ号の最年長者であるからこそ、彼はこれまでに様々な経験をし、それを自分の中で「受け入れて」生きているように感じます。それは、過去を清算しようとするスパイクや、過去を失ってしまったフェイとは対極に位置するキャラクターとして描かれているのではないでしょうか。カウボーイという大人になり切れない「ならず者」達の中において、ジェットは「物分りの良い大人」の立ち位置なのです。

 例えば、第10話「ガニメデ慕情」では、「ジェット」の過去について初めて言及されています。「ジェット」の故郷ガニメデにビバップ号が立ち寄った際、「ジェット」はかつて一緒に暮らし、ある日忽然と彼の前から姿を消した女性「アリサ」と再会します。「アリサ」が何故自分から離れていってしまったのかを知ろうとする「ジェット」。しかし「アリサ」は既に若い男と付き合っており、その男のために破滅的な道を辿ろうとします。そして、かつて愛した女性と今の男を「ジェット」は厳しく追い詰めるのです。その厳しさこそ、「ジェット」にとっての「アリサ」への優しさ。物語のラストで、止まってしまった時計をガニメデの海に投げ捨てる彼の背中は、寂しそうではありますが、哀愁と共に「ジェット」のあらゆる物事に対する潔さを感じさせてくれました。


■喰らい付いたら離さない「ブラックドック」と呼ばれた警察官

 また、「ジェット」はカウボーイになる以前、I.S.S.P.と呼ばれる警察組織で働いていました。彼の右腕が義手なのは、その頃のとある事件のせいで、第16話「ブラックドック・セレナーデ」でその過去が明かされます。この16話に対する次回予告は「ジェット」が一人で担当し、こう言います。

「子供は見ない方が良い。女性もよした方が良い。それに、若い男も見ない方が賢明だ。次回『ブラック・ドック・セレナーデ』・・・オヤジだけは見てくれ」

 なんでしょう、この次回予告は。カッコいいにも程があります。警察時代、喰らい付いたら離さない「ブラックドック」と言われたジェットは、この16話で再び警察時代の相棒と、彼が最後まで捕まえようとしていた凶悪犯罪者に出会います。かつての相棒ファドと共に、彼の右腕を奪った殺し屋ウダイを追い詰めるジェット。あの日、彼の左腕を奪ったものは何だったのか、そんな過去の真相と因縁への決着を付けることになります。

 警察を辞め、カウボーイとして生きる彼の中には、やはり今でも警察官としての「流儀」が滾っているのだと分からせてくれる、ビバップの中でも最高に渋い話になっています。

 個性の強いビバップ号の面々の中では決して主張も強く無く、どちらかといえば無茶ばかりするスパイクやフェイを窘める立場である「ジェット・ブラック」。そんな彼の姿は、まるでビバップ号メンバーの「保護者」のようにも感じられます。自身を古いタイプの人間であると自覚しながらも、その不器用さを曲げることなく、自分の「流儀」を背中で語る。「ジェット・ブラック」はそんな渋くてカッコいいオヤジなのです。


【原稿作成時期の都合により、内容や表現が古い場合も御座いますがご了承下さい】


★記者:サイコロ親分(キャラペディア公式ライター)

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