医師の手で記憶の修正が可能になる時代がすぐそこに!? 記憶の裏にある方程式が発見される(スイス研究) (1/3ページ)

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医師の手で記憶の修正が可能になる時代がすぐそこに!? 記憶の裏にある方程式が発見される(スイス研究)
医師の手で記憶の修正が可能になる時代がすぐそこに!? 記憶の裏にある方程式が発見される(スイス研究)

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 脳が記憶を形成し、それを失う機能の裏に隠された数学的な方程式が発見された。科学者によれば、この方程式は出来事を思い出す仕組みを最も正確に記述できるものである。そして、将来的には医師が外傷性の記憶を修正、あるいは消去できるような技術の開発につながるかもしれないという。

 スイス連邦工科大学ローザンヌ校のウォルフラム・ゲルストナー氏らは、シナプスという脳の接触構造を通して記憶が形成される仕組みを調査した。シナプスは可塑性が高く、神経細胞が伝達速度や強度を変更し、ひいては記憶の変更をすることを可能とする。

 研究チームが焦点を当てたのは、”記憶部品(memory assemblies)”と呼ばれるものである。これはシナプスを介して接続される神経細胞のネットワークであり、記憶の特定の部分を蓄えることができる。記憶が再生されるとき、その特定の部品の断片が繋がって、全体を生み出す。

 今回実施されたシミュレーションからは、記憶の形成と再生は”巧みに組織化された組み合わせ”の結果として生じることが示唆された。この結果から、研究者の言を借りれば、この複雑な現象を最も正確に表す複雑なアルゴリズムを導き出すことに成功した。

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 このアルゴリズムは脳内に新しい記憶を生み出し、古い記憶を完全に消去するツールの開発に応用できるという。記憶ネットワークを生産や解体するためにシナプスが連携する仕組みが分かれば、認知や心理療法のような分野の発展が期待できる、とゲルストナー氏は話す。

 本研究は、睡眠中のマウスに記憶を植えつけることに成功した3月の実験を受けて実施されたものだ。
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