元テレ朝アナ・前田有紀が花屋に…異業種転職する女子アナ事情

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写真はイメージです
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 テレビ朝日の元アナウンサー・前田有紀さん(34)がフラワー業界に転職し、東京・自由が丘の生花店に勤めていることが週刊誌『FRYDAY』(講談社)によって報じら、大きなニュースになった。

 しかし、前田元アナのようにマスコミとはまったく異なる他業種に転じた女子アナたちは意外にも多い。誰もがなれるわけではない華やかな女子アナ職をなぜ捨てる女性たちがいるのか。筆者の周囲にいた元女性アナたちの転職理由を紹介したい。

 まず女子アナを辞めた理由だが、「配置換えや収入面での待遇に不満を感じた」(関西の準キー局の元アナ、30代後半)、「アナとして精一杯やり切った」(東北の地方局の元アナ、40代前半)、「アナとしての才能に限界を感じだ」(フリーアナとして活動していた元アナ、30代後半)などなど、人それぞれだ。

「どうせ地方のアナウンサーでしょ」と言われて

 彼女たちは、どんな異業種に転職していったのか

「自信とプライドからです。いくらアナウンサーといっても地方局だと『どうせ地方局でしょ?』という印象が付き纏うから。誰もが知っている企業に転職して“デキる自分”を証明したかった」

 こう話すのは九州の地方局の元アナウンサー、南澤彩夏さん(仮名・30代)。地方局アナを退職後、アナウンサー職ではない総合職として在京テレビ局に見事、目の覚めるような真っ白のスーツ姿は、かつて“美人アナ”と評判だった頃そのままだ。南澤さんが続けて語る。

「アナがフリーになるのは二通りしかありません。在京全国キー局の場合、仕事の多忙さと生活の不規則からです。まとまって自分の時間が欲しくなり、辞めるというケースです。一方、地方局アナの場合は『見返してやる』という意識から、東京に出てくるからではないでしょうか」

 南澤さんは、女子アナが他業種に転職する心理をこう分析する。

「時間が欲しい、見返してやる──そのいずれでもない人が他業種に行くで。在京全国キー局で『そこそこ仕事をしたけど、そんなに魅力的な職業ではないな』と思った人、地方局だとどんなに出演機会に恵まれても『どうせ地方でしょう?』と周囲から思われるのが嫌だったか。そこに尽きます」

 そもそも女子アナが放送局に長く勤めることは大変だ。ベテランになれば、よほどアナウンス技術が優れているか、スポーツにや経済に明るいとか何か専門性を持つ必要がある。それがなければお笑い、三枚目を演じるしかない。もしお笑いを演じ切れなければ“腫れ物”になるだけだ。とくにテレビの場合は年齢を隠し切れない。そんな現実が女子アナたちを他の職へと駆り立てる。

「今の社会では会社が用意したコース以外の道を作るとなると、“道無き道”を行くことになります。その道を作るのに時間と気力を使うならば転職もアリだなと思ったわけです」

 このように放送局の労働環境に疑問を感じて転職した女子アナは少なくない。

「非正規雇用、派遣、業務委託……など、アナ職も含めて放送局の労働条件に疑問を持ったからです。今は行政書士をしています」

 元関東某県の地方局アナで勤務していた吉川令子元さん(仮名、30代前半)は、アナウンサーを辞めた理由をこう明かす。濃紺にペンシルストライプのスーツ姿がいかにも法律家らしい。しかし白のチューブトップのインナーがどこか女子アナ当時を思い起こさせる。

「『町の法律家』として、日々、多忙を極めています。人前で話す、伝える、話を聞く──映像に出るか出ないかの違いはあります。でも仕事はさほど変わりません」

数千倍の難関を突破した過去はやはり強い?

 笑顔を絶やさずハキハキした物言いは女子アナ時代そのままだった。ブラック企業やブラックバイト問題で揺れる昨今、今、彼女は行政書士として大活躍中だ。

 生涯、仕事をしたい。そうした思いは転職した元女子アナが皆、口を揃えるところだ。

「収入面で不安定なフリーでは将来が心配です。そんな悩みを抱えていたときにちょうど介護士資格の宣伝が飛び込んできました。学校に通い資格を取り今は介護施設で働いています。離婚して不安だったのですが安定した収入が得られるようになりました」

 かつて在京キー局で全国ネットのニュースを読んでいた水城彩子元アナ(仮名・40代前半)もその転職理由を「将来への不安」だったと話す。

 概ね元女子アナたちは第2の人生でも成功している。

 3つの会社を起業して成功し年収が約600万円から2000万円以上と驚くほど跳ね上がった地方局の元アナもいれば、今はバリバリのキャリアウーマンとして商社で働き、局アナ時代に比べ300万円も年収がアップしたという女性もいる。多くの元女子アナはその職を辞めても活躍している人が多い。なかには転職先で社内イベントやセミナーの司会を任せられる人もいると聞く。

 女子アナは例えその肩書きを外してもやはり“女子アナ”なのだ。そもそも数千倍ともいわれる難関を突破した、頭脳だけでなく容姿にも恵まれた者たちだ。どんな職に就いても成功するのは見方によっては当然なのかもしれない。だからこそ“引き際”もよく見極めている。

 きちんと引き際を見極め、他業種に転職した元女子アナたちは皆輝いている。彼女たち元女子アナのほうが、よほど“女子アナ”にみえる。

(取材・文/田中那智美)

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