婚活イベントに税金60億円を投入…人口減少は"若者の草食化"が原因ではなかった!? (2/2ページ)
結婚意欲は下がっていないのに「恋愛離れ」が叫ばれるというのはおかしな話にも思えるが、これも経済的な理由から考えれば納得がいく。余裕がなくなるほど無駄ダマは撃てなくなる。つまりはゴールインにつながらない恋愛はしにくくなる。特に女性は「恋愛=結婚=子供」という図式が強まっているといわれ、気軽に恋人をつくるわけにはいかない。
これに生活の多様化や趣味の多彩化、独り身でも寂しさが紛れるSNSの普及なども加われば未婚化は必然だろう。だが、それらはあくまで二次的な要因であり、最大の理由は「経済的・将来的な不安」に尽きるのではないだろうか。
「若者イジメ」が招いた結果…政府・自治体のズレた感覚
これは恋愛や結婚だけでなく、近年メディアで騒がれた「若者のマイホーム離れ」「若者のクルマ離れ」などといった事象でも最大の要因であると考えられる。「さとり世代」という言葉で表現されることもあるが、若者が持ち家や自動車を欲しがらなくなったわけではなく、経済的余裕も将来的な希望もない時代に静かに適応しただけ。それなのに家や車を無計画に買えというのは無理な話だ。
それと同じように結婚や恋愛から遠ざかってしまうのは仕方ない。今の若者世代もお金と将来の余裕があれば「恋人を作って結婚して子作りもしたい」「家も車も欲しい」となるだろうが、先立つものがないのだ。政府が繰り返してきた「若者イジメ」の結果ともいえるだろう。
だが国は「各自治体を通じて出会いの場を提供する」「出生率の高い地方への移住を促す」などとズレた対策ばかり打ち出している。もちろん出会いの場は求められているだろうが、それより若者たちの不安を解消する方が先だ。だが、政府は問題の本質から目をそらし続けている。
それどころか2013・2014年度補正予算で「地域における少子化対策の強化」として計60億円超が地方にバラ撒かれ、婚活イベントなどを開催させている始末。子育て支援の拡充や若者の雇用安定が何よりもの特効薬となるが、根本的な原因は見えていないのか、見ようとしていないのか、手を付けようとしない。
海外に目を向けると、フランスでは学費や出産費用の無料化、子育て世代への減税などといった施策を打ち出し、スウェーデンは教育費・出産費用を国が負担することに加えて児童手当の強化や夫婦合わせて計480日分の育児休暇(390日間は給与の8割を補償)などを制定。かつては両国とも深刻な人口減少に悩んでいたが、近年は出生率が急激に回復してきている。婚活パーティーで尻を叩いてやればいいという、日本政府の考え方が幼稚すぎて恥ずかしくなるほどの充実ぶりだ。
政府やマスコミが「若者の草食化」という都合のいい言葉で問題をゴマかしているうちは、日本が傾きかねない人口減少は止まらないだろう。
(文/佐藤勇馬)