「地方創生」終了宣言…参議院定数見直しで加速する地方の衰退 (2/2ページ)

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地方都市の意見は尊重されないのか

 選挙情勢によっては、改選・非改選ともに議員を選出しない県が出てくるだろう。参議院は都道府県の代表者という位置づけがある。自民党は合区案が採用されると、参議院議員を輩出できなくなる県も出てくることを危惧し、各県の意見が反映されなくなるとの理由から合区案には反対してきた。しかし、このほど自民党は合区案を受け入れることを表明。早ければ、来夏の参議院議員選挙から定数が変更されるという。ある地方紙記者はこう話す。

「10人も参議院議員がいる東京都とは違い、地方は一県に2人しか参議院議員がいません。その先生に『おらが町を活性化させてほしい』『なんとか過疎化を食い止めてほしい』という悲痛な思いを託す人たちは多い。しかし、地元選出の議員がいなくなったら、そんな魂の叫びは無視されるでしょう。過疎化に悩む地方都市は絶望に突き落とされます。一票の格差を是正することは大事なのでしょうが、それは“人口の少ない地域の意見は聞かなくてもいい”ということになる。定数削減は地方に住む人たちにとって、死活問題です」

 今後、日本の過密化・過疎化は進む。全国の地方都市でも、合区される可能性は十分にある。島根県・鳥取県、徳島県・高知県だけの話ではない。すでに、政府内では四国それぞれの県の選挙区を合区させて定数を6にすることも検討も始まっているようだ。

 地元選出の議員がいなくなれば、地元に公共事業を呼び込む代理人は存在しなくなる。地方の公共事業依存体質は改めるべきだが、過疎化著しい地方都市では公共事業しか仕事がないのも現実である。

 安倍政権は地方創生を旗印にし、自民党もそれを推進してきた。その自民党が定数是正の容認に転じたことは “地方創生”の終了宣言とも言えるのかもしれない。

(取材・文/小川裕夫)

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