神経細胞は「脳の10%」しかない?脳に関する驚くべき事実9つ (2/3ページ)
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■5:脳腫瘍から救うナノテクノロジー
脳内の毛細血管は、栄養素など特定の物質しか通しませんが、脳腫瘍の治療の際にはこの仕組みが仇となります。
有効な成分が脳まで届かないため、薬を使って強制的に脳のガードを緩めなければならないのです。
これを解決するのが、2009年に発表されたナノテクノロジー。治療に必要な成分をごく小さい分子にすることによって、薬を使わなくても脳まで届けることができる技術です。
近い将来には、脳腫瘍も簡単に治療できるようになるかもしれません。
■6:受胎後3週間から脳がつくられ始める
胎児の脳は意外に早い段階で形成されます。なにしろ、受胎からたったの3週間で脳幹が形成されはじめるのです。
脳幹は妊娠3か月で大きく成長していきます。4か月を過ぎたころにニューロンや神経膠が形成されますが、まだシワはありません。6か月を過ぎると、わずかにシワができはじめ、7カ月くらいでようやく脳らしい見た目になってきます。
脳は意外と長い時間をかけてつくられるんですね。
■7:10代独特の思考は脳のせい
2006年に発表された研究では、10代の若者は、脳の仕組みが自己中心的になるようにできているといわれています。共感や罪の意識を感じる前頭前皮質(ぜんとうぜんひしつ)が、大人にくらべてあまり使われないのです。
思春期の複雑な気持ちが、脳の影響だったとは驚きです。
■8:大人になっても脳細胞はつくられる
大人になってある年齢に達すると、もう新しい脳細胞はつくられないという話を聞いたことはありませんか?
しかし、これは事実ではありません。2007年に発表された研究では、脳卒中になった女性の脳が、脳の似た部分の細胞を使ってダメージを受けた部分をカバーしはじめたとされています。また、大人のマウスの脳に新たな脳細胞がつくられたことも確認されています。
脳は一生変化を続けているのです。