神経細胞は「脳の10%」しかない?脳に関する驚くべき事実9つ
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長さ16センチ、幅13センチ、高さ13センチ。重さは1.3キロでやわらかく、豆腐のような質感。
これがなんだかわかりますか?
答えは、私たちの脳。
今回は、意外と知らない脳についての知識を『Live Science』より紹介します。
■1:人類の脳はだんだん縮んでいる
人類の脳はこの5000年ほどで、なんと150立方センチメートルも縮んでいるのだそうです。これは10%ほど縮んでいる計算になるのだと、ウィスコンシン大学マディソン校の古人類学者ジョン・ホークス氏はいいます。
脳が縮んでいる詳しい原因はわかっておらず、研究者の間でも諸説あるのだとか。
■2:脳は人体の中で最も大食い
脳の重さは体重の2%にすぎませんが、血液中の酸素の20%と、糖分の25%を消費するといわれています。
猿からヒトへ進化した際、この大食いの脳がなにを食べていたのかは専門家の間で議論になっていますが、最近は地中に埋まっていたじゃがいもなどの根菜を摂取していたのではないかという説が有力です。
■3:脳のシワが多い人ほど賢い
私たちの脳の表面はシワで覆われています。脳は表面に神経細胞(ニューロン)があるので、表面積が大きいほど、神経細胞の数が多く、賢くなるといわれています。
しかし頭蓋骨内の限られた容積のなかで表面積を増やすためには、シワを増やすしかないわけです。
ちなみにイルカの脳は、ヒトの脳よりもシワが多いのだそうです。
■4:ニューロンは脳の10%しかない
脳細胞と聞くとなんとなくニューロンをイメージしますが、実はニューロンは脳細胞全体のたった10%しかありません。
では90%はなにでできているのかというと、神経膠(しんけいこう)と呼ばれる細胞。これはニューロン同士をつなぎとめる働きをしています。
■5:脳腫瘍から救うナノテクノロジー
脳内の毛細血管は、栄養素など特定の物質しか通しませんが、脳腫瘍の治療の際にはこの仕組みが仇となります。
有効な成分が脳まで届かないため、薬を使って強制的に脳のガードを緩めなければならないのです。
これを解決するのが、2009年に発表されたナノテクノロジー。治療に必要な成分をごく小さい分子にすることによって、薬を使わなくても脳まで届けることができる技術です。
近い将来には、脳腫瘍も簡単に治療できるようになるかもしれません。
■6:受胎後3週間から脳がつくられ始める
胎児の脳は意外に早い段階で形成されます。なにしろ、受胎からたったの3週間で脳幹が形成されはじめるのです。
脳幹は妊娠3か月で大きく成長していきます。4か月を過ぎたころにニューロンや神経膠が形成されますが、まだシワはありません。6か月を過ぎると、わずかにシワができはじめ、7カ月くらいでようやく脳らしい見た目になってきます。
脳は意外と長い時間をかけてつくられるんですね。
■7:10代独特の思考は脳のせい
2006年に発表された研究では、10代の若者は、脳の仕組みが自己中心的になるようにできているといわれています。共感や罪の意識を感じる前頭前皮質(ぜんとうぜんひしつ)が、大人にくらべてあまり使われないのです。
思春期の複雑な気持ちが、脳の影響だったとは驚きです。
■8:大人になっても脳細胞はつくられる
大人になってある年齢に達すると、もう新しい脳細胞はつくられないという話を聞いたことはありませんか?
しかし、これは事実ではありません。2007年に発表された研究では、脳卒中になった女性の脳が、脳の似た部分の細胞を使ってダメージを受けた部分をカバーしはじめたとされています。また、大人のマウスの脳に新たな脳細胞がつくられたことも確認されています。
脳は一生変化を続けているのです。
■9:男女の脳はほとんど変わらない
男性と女性とでは脳の仕組みが違うという話をよく聞きますが、必ずしもそうではないようです。
2010年に、69か国のおよそ50万人の男女の計算能力を調査したところ、その能力の差はほとんどなかったというのです。
まだまだわからないこともたくさんある脳。興味がわいた人は、さらに詳しく調べてみては? おもしろい発見がたくさんありますよ!
(文/和州太郎)
【参考】