北朝鮮住民、中国「軍事パレード中継」視聴で逮捕 (1/2ページ)

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北朝鮮住民、中国「軍事パレード中継」視聴で逮捕

今月3日、中国・北京で行われた抗日戦争勝利70周年を記念する軍事パレードのニュースは、北朝鮮国内で口コミで広がっている。ところが、中国のテレビで放送された生中継を見た住民が、保衛部(秘密警察)に次々に逮捕される事態が起きたと米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

韓国や米国のテレビならともかく、なぜ北当局は「友好国」中国のテレビ放送を見ることに神経質になっているのか。その背景を探った。

中朝国境地域では、中国のテレビがクリアに受信できる。また、吉林省の延辺朝鮮族自治州に面している咸鏡北道(ハムギョンブクト)の穏城(オンソン)、会寧(フェリョン)、茂山(ムサン)などでは中国中央テレビだけでなく、朝鮮語放送の「延辺テレビ」も受信できる。

アナログカラーテレビの方式は中朝ともにPAL方式であり視聴にも問題はない。各家庭のテレビは、当局により朝鮮中央テレビのみ映るようにチャンネルは、はんだで固定されているが、これも少し改造すればおしまいだ。さらに、DVDを視聴できる「ノートテル」はTVチューナー付きの機器も多い。

中国のテレビ局が放送する番組は、中国中央政府によりコントロールされているが、北朝鮮とは比べ物にならないほど国内外のニュースが多く伝えられている。ドラマやバラエティ番組も多く、普段から「延辺テレビ」を視聴する住民が多かった。

そして、9月2日。いつものように延辺テレビにチャンネルを合わせて軍事パレードの生中継を見ていると、いきなり保衛部に踏み込まれ逮捕される住民が続出したという。

咸鏡北道の情報筋は、「保衛部27局がテレビ受信機の抜き打ち検査を行い、多数の住民が逮捕された。彼らは、中国人民元で罰金を払った上で釈放された」と語る。

また、両江道(リャンガンド)の情報筋は、「保衛部の厳しい取締はあったが、多くの人が中国のテレビの軍事パレード生中継を見ており、その話が街中に広がっている」と伝えた。

一方、逮捕されずにパレードを見た住民たちは、天安門の壇上に並ぶ多くの外国の首脳や代表団、中国の最新鋭の武器の数々、天安門広場を埋めた多くの観客など、その盛大な様子を見でショックを受けたという。

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