中国人が見た「横田基地日米友好祭」…オスプレイの人気ぶりに驚愕 (2/2ページ)

デイリーニュースオンライン

 そして、この日の一番人気はオスプレイの展示で、2時間ほどの行列ができていました。さすがにそれだけ待つ気力はなくて、泣く泣く諦めました。

 その代りに僕がやったことと言えば、500円で全身パイロットの服とヘルメットを装着し、それを記念に撮影するというものでした。これで戦闘機のパイロット気分を味わうことができます(笑)

 それにしても、このオスプレイの人気ぶりを見ていると、これがあの普天間基地で地元民から忌み嫌われている機体だとはとても思えません。オスプレイは、ヘリコプターのような垂直上昇の動きで飛び立つことができる上、プロペラが前方に回転することにより、プロペラ戦闘機のような航行速度を得ることができるという、画期的な機体です。狭い地域の被災地や戦艦の上にも離着陸できるうえ、仮に尖閣諸島などで戦闘となった際にも、大活躍することは間違いありません。自衛隊には輸出されていない米軍の所有機です。

 そのため、まさに「反米」や「反基地」の人たちにとっては、米軍を象徴する格好の標的対象ではあるのですが、この日の主役はまさにこのオスプレイだったのです。来場者の多くはみんな、この機体が優秀であり、いざというとき日本を守ってくれるものだということを認識していました。日本の報道においては、安保反対や基地反対などの声が大きく取り上げられていますが、決してそういう声だけではないということが、この日のイベントで分かりました。

 なお、この日は、米軍によるバンド演奏や、日本の自衛隊員による和太鼓演奏などの音楽フェスティバルも行われていました。その催しのホールでは日米の旗が並んで大きく掲げられていたのですが、これを見たときに、中国人の僕はつくづく思いました。

 日本と米軍は70年前の戦争において激しく争っていたけれども、今はこうして仲良く手を携えています。ですが、日本と中国に至っては、いまだに70年前の戦争を引きずったままです。当時の第二次世界大戦において連合国軍の中心となっていたのはアメリカ軍であり、中国はその末席に位置していました。日米がこうして仲良く手を携える中、ろくに連合国に貢献していない中国が、先日の抗日70周年の軍事パレードなどのように、反ファシストの功績を大々的に誇示しているのも何ともおかしな話ではないでしょうか。

 今回の日米友好祭を通して、僕はやはり日本の自衛隊はアメリカ軍と切っても切り離せない存在であり、今後、両国はその関係性を強め、中国共産党と対峙するのが日本にとって正しい軍事的戦略なのだろうと実感したのでした。

著者プロフィール

漫画家

孫向文

中華人民共和国浙江省杭州出身、漢族の31歳。20代半ばで中国の漫画賞を受賞し、プロ漫画家に。その傍ら、独学で日本語を学び、日本の某漫画誌の新人賞も受賞する。近著に『中国のもっとヤバい正体』(大洋図書)

(構成/杉沢樹)

「中国人が見た「横田基地日米友好祭」…オスプレイの人気ぶりに驚愕」のページです。デイリーニュースオンラインは、政治自衛隊軍事中国連載などの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る