『孤独のグルメ』放送後のお店は実際どうなっているのか?|プチ鹿島コラム

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Googleストリートビューより
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 10月からスタートした『孤独のグルメ Season5』(金曜深夜0時12分~テレビ東京系)。ご存じない方に説明すると、井之頭五郎(松重豊)というおじさんがおいしそうにご飯を食べるドラマだ。

 この番組を見たら、五郎が食べた店に行きたくなる。でも混雑しているだろうし、それ以上に「テレビを見てすぐに行くなんて恥ずかしい」と自意識が邪魔をする自分がいる。でも気になるのだ。放送後、現場はどんな感じなんだろう……。自意識など気にせず行っちゃう人もたくさんいるのだろうか? じゃ、行ってみるか。

オンエアから約2週間後、第2話で放送された居酒屋へ…

 第2話で放送された居酒屋「だるま」へ。オンエアされたのは10月9日。私が潜入したのは10月21日。放送から約2週間後である。訪れたのは夜6時すぎ。清澄白河駅から10分ほど歩くと看板が見えてきた。周囲はひっそりとしていて行列もない。しかし店の戸を開けると一気に世界が変わった。人、人、人。壁にはメニュー、メニュー、メニュー。テレビで見た奥にあるコの字型のカウンターもびっしり満員。おばさんのハキハキとした案内でカウンターへ。ちょうど1人分のスペースが空いていた。すると「隣り、ゴメンね」とトイレ帰りのおじさんから声を掛けられる。1人分だと思ったスペースは2人分の間違いだった。まさにビッシリ。

 さて注文。井之頭五郎はたしか「ポパイベーコン」「サンマクンセイ刺」「煮込み」を頼み、ライスを頼んでいた。最後に「オニオンロールパン」を煮込みの汁につけて食べていた。五郎は下戸だから居酒屋でもライスを注文し、あくまで「メシ」を堪能するのだ。今回は私も「調査」なので同じものを注文しようか。

「ビールください。」

 あまりにも魅惑的な居酒屋の雰囲気に、早々と調査は終了した。そして「トロカツオ」「カキ酢」「キス天ぷら」。ドラマと全然ちがうものを注文してしまう。周囲を見渡すと、カウンターの中央部にはおばちゃん3人組がゴキゲンにおしゃべりをしていた。髪にピンクのメッシュを入れた赤木春恵似のおばちゃんが目立つ。放送後の客層が気になったのだが、店内はほぼ常連の地元の人のようだ。

 するとカウンターの向こう側に若者2人を見つけた。テーブルにはドラマで紹介された「ポパイベーコン」がある。もしかして番組を見て来たのだろうか? 若者2人は隣りのおじさんに話しかけられていた。おじさんのほうが元気があって、ブレザーの胸には何かの王冠のマークが。地元の名士なのだろうか。

 私の右となりには中年カップルがいた。熱燗をやっている。会話に耳を傾けると、「『相棒』の反町隆史はなかなかいい。ミッチー(及川光博)も好きだった」と女が言えば、「成宮の終わり方がとってつけたようで気に入らない」と男が返す。ドラマ好きのようだ。テーブルには「ポパイベーコン」がある。あ、地元組だと思ったけど、もしかしてこちらもドラマ来店組だろうか。私もちょっと安心して井之頭五郎が食べていた「煮込み」「サンマクンセイ刺し」を追加注文する。

 現場に行ってわかったことがある。『孤独のグルメ』の五郎はライスを注文していたが、実際はなかなか頼める雰囲気ではなかった。もちろん注文すれば出てくるのだろうけど、これだけ大衆的でいい感じの店だとやっぱりアルコールを飲みたくなるのだ。というわけでホッピーを追加。

 私の滞在時間は1時間弱。帰り際にレジでおじさんに「ドラマを見ておいしそうだったので……」と思い切って言うと「ああ(笑)。多いですよそういうお客さん。2、3日前までは行列もできてましたよ」。

 そうか、やっぱり行列も発生していたのか! ということは、どうしても『孤独のグルメ』を見て行きたくなった場合は「放送後2週間後」ぐらいからが狙い目か。私の勝手な調査結果です。

 ちなみに今回飲み食いしたメニューをまとめてみると、「トロカツオ」「カキ酢」「キス天ぷら」「煮込み」「サンマクンセイ刺し」「瓶ビール」「黒ホッピー 」「ポテトサラダ(お通し)」で、合計3108円でした。安い!

著者プロフィール

putikashima

お笑い芸人(オフィス北野所属)

プチ鹿島

時事ネタと見立てを得意とするお笑い芸人。「東京ポッド許可局」、「荒川強啓ディ・キャッチ!」(ともにTBSラジオ)、「キックス」(YBSラジオ)、「午後まり」(NHKラジオ第一)出演中。近著に「教養としてのプロレス」(双葉新書)。

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