「下町ロケット」が「半沢直樹」になるには不足している3つの要素とは?

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「下町ロケット」が「半沢直樹」になるには不足している3つの要素とは?

 ドラマ「下町ロケット」(TBS系)が好調だ。第3話では視聴率18.6%をマークし、今クールのドラマで最高視聴率を更新。大ヒットドラマ「半沢直樹」と同じ池井戸潤の原作というブランド力も功を奏している。現在のところは「半沢直樹」に比べて各話あたり3~4%ほどの差を付けられているが、今のペースで伸びていけば、終盤には30%超えも期待できそうだ。

 一方で、今後の伸びが鈍化する可能性も指摘するのは、テレビ誌のライターだ。なんでも「下町ロケット」には、「半沢直樹」をヒットさせた要素のいくつかが不足しているのだという。

「まずは、決めゼリフがないことです。『半沢直樹』の『倍返しだ!』は世代を越えて、大人から子供まで真似する流行語になりました。クラスメートや同僚が半沢の真似をすることで、それまで作品に興味を持っていなかった層までが、ちょっと見てみようかという気になります。今後、『下町ロケット』でどんなセリフが飛び出るのかに注目したいですね」

 次の要素は、主人公の敵役だという。「半沢直樹」では半沢が復讐を誓う敵として、香川照之が演じる大和田常務の存在が大きかった。真っ白なスーツ姿で相手を挑発する大和田常務と、地味なスーツを着て相手の罵倒に耐える半沢の対比は、日本人の大好きな勧善懲悪をそのまま体現していたのである。テレビ誌ライターが続ける。

「大和田常務のセリフと顔芸もまた、物真似の対象となりました。本作では演技力に定評のある安田顕が顔芸役を受け継いでいますが、役柄は主人公の社長に仕える部長に過ぎず、大和田常務のような敵にはなりえません。あえて敵役を挙げればライバル企業の部長を演じる吉川晃司ですが、吉川は憎き敵としては格好が良すぎます。今後、視聴者全員が憎しみを覚えるような敵の登場を期待したいですね」

 そして3つ目の要素。それは飛び道具的なキャスティングだという。すなわち「半沢直樹」における金融庁の主任検査官で、オネエの口調も衝撃的だった片岡愛之助である。その存在感で、なぜオネエ口調なのかという疑問すら吹き飛ばした愛之助。この役目を埋めるのは誰だろうか。テレビ誌ライターの見解を聞いてみよう。

「一番の難点はここでしょう。『下町ロケット』には落語家が出演しており、銀行からの出向者で獅子身中の虫になりかねない経理部長を演じる立川談春や、同銀行の融資課長役を務める春風亭昇太らが異彩を放っています。その彼らが愛之助の域に達することができるのか。そしてもう一人見逃せないのが、弁護士役の池畑慎之介。現在のところは完全に男性役ですが、いつピーターの面を見せてくるかに期待です」

 ちなみに「半沢直樹」では第6話以降を第二部とし、舞台も大阪から東京に移して、半沢の復讐劇がヒートアップ。話題性が高まった経緯がある。今回の「下町ロケット」でもそのような二部構成が見られるのかも、注目ポイントになりそうだ。

(金田麻有)

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