【プロ野球】2度目の「空白の一日」は叶わなかった“幻の巨人監督候補”

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【プロ野球】2度目の「空白の一日」は叶わなかった“幻の巨人監督候補”

 1978年秋におこったプロ野球史上最大とも言える大事件「空白の一日事件」は、怪物江川卓だけでなく巨人軍、そしてプロ野球に激震を走らせた。その後、江川は9年間の現役生活で通算135勝(72敗、3セーブ)を挙げ、落合博満に「最後の速球派投手」と評されるセ・リーグを代表するエースとなった。現役引退後は巨人監督人事の度に候補に挙がったが、結局就任することはなかった。

 今季もその例に漏れず、原辰徳監督が退任(10月17日)したことにより高橋由伸、川相昌弘ヘッドコーチとともに監督候補に浮上していた。直後の週明けに行われた原監督と球団幹部の会談内容や動向が注目されていたが、間髪入れずに巨人は高橋由伸新監督で一本化。まさに10月18日は「2度目の空白の1日」となった格好だ。

●混乱極めた新監督報道

「新監督の人事には原氏の意向が多く取り入れられ、18日の会談では“エガワ”のエの字も出なかったと言われています。弱冠40歳という若い高橋監督の決定で、巨人首脳陣も大きく若返った。もはや江川監督の目は完全に摘まれたというのが大勢の見方です」(在京スポーツ紙記者)

 緻密で初心者にもわかりやすい解説でお馴染みの江川だが、実際はグランドやキャンプにはほとんど顔を出さない「現場嫌い」で知られていたという。そのため、球団幹部にはウケが良くなかったという話もある。

「今回も、17日の時点でほとんどのメディアは候補として川相ヘッド、高橋、江川の3人が有力としていましたが、その時点でも江川には長年現場から離れていた点が不安視されていた。18日朝に報道陣が自宅前に集まった際も、『まだ何も連絡はない』と素っ気なく答えていた。監督候補に名前が挙がっていても本人がいちばん半信半疑のようでした」(前出・記者)

 はからずも「2度目の空白の1日」に直面してしまった江川だが、前回の「空白の一日」と違って江川自身に悪い印象を与えるものではない。来季もユニークな語り口の解説でプロ野球ファンを楽しませてくれるだろう。

取材・文/織田順恭

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