STAP細胞騒動が再燃…米研究者の新論文と”デマ・真実論争”の背景 (2/2ページ)

デイリーニュースオンライン

 しかし徐々に、今回の「STAP細胞がある」という主張についてデマ説が高まってきた。発表された論文中には"STAP"の言葉が一つも出てこない上、
「複数のグループより矛盾する結果が報告されている」
(Nature.com SCIENTIFIC REPORTS,Characterization of an Injury Induced Population of Muscle-Derived Stem Cell-Like Cells,「Discussion」欄、第1パラグラフ英文より)

 といった記述も見受けられる。小保方氏が2011年に執筆した論文「The potential of stem cells in adult tissues representative of the three germ layers」が"参考文献として記されている"という主張もあるが、それも36ある参考文献の一つに過ぎず、同論文でどれほど参考にされているのか判別はできない。

 また、情報の発信源である「Nature.com SCIENTIFIC REPORTS」は、ネイチャー本誌ではなく"姉妹サイト"。それを「Natureが実はSTAP細胞を認めた!」と主張するネットユーザーもいるため、「半ば以上詐欺な論法」「記事の信頼が薄い。本当に証明されたと思うのは早い」と非難する声や、論文の内容自体が「細胞は『初期化』されてないからSTAP現象ですらない」として、小保方氏のアイデアを完全肯定するものではないと見なすユーザーも。デマ説に対して「ウソだったのか」とガッカリする人が出ている。

 事態は収束するかと思いきや、SNSやネット掲示板にはデマ・真実と両方を主張する意見が飛んでいる。「俺は小保方さんを信じてたよ」「小保方さんノーベル賞だね」「まさかの逆転勝利」と肯定する意見も残っており、一部で「デマとどっちやねん!」と混乱する人がいる状況だ。

「各ユーザーの情報の受け取りにタイムラグが生じた可能性もあります。今回の論文が小保方氏の研究をどれだけ認めているのか、内容が複雑なだけに、素人では判断できない状態。研究者や識者の正式な声明を待ちたいところ。もうしばらくすれば、事態は事実に向かって収束していくでしょう」(報道関係者)

 もしも本当にSTAP細胞の存在が認められれば世紀の大発見と言えるだろう。小保方氏らの立場も大逆転する。しかしSTAP細胞の価値が再度認められた論文であるなら、ソースの信ぴょう性すら疑われるWebサイトではなく、本誌のネイチャーで発表されるのではないだろうか?

蒼木学(あおきまなぶ)
フリーの取材記者。エンタメ・芸能から教育・社会問題まで幅広く取材を行う。興味のあるトピックは人工知能、近現代史。
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